2016年05月05日

さよなら、ジョン・ケーシック ―ケーシックの大統領選〈号外〉


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▲ 選挙戦撤退を表明するケーシック (2016年5月4日)


 2016年5月4日、米大統領選に向けて共和党の候補指名争いに参戦していたジョン・ケーシックが、指名争いからの撤退を表明しました。




 午後5時ごろ、オハイオ州コロンバスにあるフランクリン公園温室植物園で記者会見を開いたケーシックは、共和党からの指名を確実にしたドナルド・トランプに一切言及することはなく、撤退の理由も語りませんでした。

 大統領選では「生き残った候補」が「脱落した候補」に、「脱落した候補」が「勝利した候補」に称賛や祝福のメッセージを送ることが慣例となっており、ケーシックもこれまで他候補が脱落する度に他候補を称えるメッセージを発表してきました。
 撤退表明会見の中でケーシックがトランプに一切言及しなかったことは、ケーシック陣営が依然としてトランプ陣営に非協力的であることを意味するのでしょう。

 ケーシックはこの後オハイオ州に留まり、2期目の任期が切れる2018年までオハイオ州知事を務め上げる予定です。例えばトランプのランニングメイト(副大統領候補)に就くようなことは考えられません。
 オハイオ州では知事の3選が禁止されているため「2018年」後の動向が注目されますが、今の時点であれこれ予想するのは邪推というものです。



 ――オハイオ州予備選での勝利から撤退表明に至るまでのケーシックの選挙運動については、後日、「ケーシックの大統領選」シリーズ第6章としてこのブログでまとめて叙述することにします。というわけで、まずは取り急ぎご報告まで。

 Twitter(@mitsuyoshi1900)では新着情報や雑感を逐次ツイートしておりますので、ご関心のある方はお立ち寄りください。


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2016年04月30日

マデリーン・カーンの怪演が光る! 『Getting Married Today』


私がYouTubeの存在を知って以来、
最も頻繁に視聴してきた動画は…… 間違いなく ☟これ☟ です。



1992年6月12日、カーネギーホールで開催された
作曲家スティーヴン・ソンドハイムの楽曲を称えるイベントで
マデリーン・カーンが歌った『(Not) Getting Married Today』。

この曲は、『Company(カンパニー)』という
1970年に初演されたブロードウェイミュージカルのナンバーです。
作詞・作曲はもちろんスティーヴン・ソンドハイム。
結婚式を直前に控えた女性の混乱と絶望が描かれています。

私は「最も好きな映画女優」に彼女の名前を挙げてしまうほど
マデリーン・カーンのことがお気に入りなのですが、
その贔屓目を抜きにしても、このパフォーマンスは実に素晴らしい。
見る度に笑みがこぼれる。完璧としか言いようがない。



ちなみに、こちらはベス・ホーランドが歌った初演時のもの。
オリジナルの『(Not) Getting Married Today』というわけです。



この曲は、キャロル・バーネット
ケイティ・フィナーランらによっても歌われています。
役者さんのそれぞれの持ち味を活かしやすい曲なんですね。



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2016年04月16日

大胆な“編集”と緩急ある話芸… 歌丸の『塩原多助 -出世噺-』


今日は、国立演芸場 4月中席 へ行ってきました。
主任は、桂歌丸師匠。

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 <本日の番組>

開口一番:(前座) 桂竹わ 『初天神』
落語:(代演) 瀧川鯉丸 『寄合酒』
コント:コント山口君と竹田君
落語:三遊亭遊雀 『電話の遊び』
漫才:Wモアモア
落語:雷門助六 『代り目』〜あやつり踊り

 〜仲入り〜

落語:(代演) 桂小南治 『ドクトル』
俗曲:桧山うめ吉
落語:(主任) 桂歌丸 『塩原多助 -出世噺-』



★竹わ 『初天神』
開口一番は竹丸門下の竹わさん。
折り目正しく模範的なさっぱりとした高座。

★鯉丸 『寄合酒』
交互出演組の代演。
スーパーマーケットでの営業ネタなどを経て、
噺そのものの可笑しさを勢いよく表現する。

★コント山口君と竹田君
旅館の主(あるじ)と眠れない客のコント。
笑わせどころでしっかりと笑わせ、
観客(というか私?)に満足感をもたらした。

★遊雀 『電話の遊び』
マクラで歌丸師匠をイジり、
噺の中では鯉丸さんとうめ吉さんをイジる。
「一昔前の新作」をここまで面白くできるのは、
遊雀師匠の感覚が研ぎ澄まされているからだろう。

★Wモアモア
おなじみの団体客ヨイショに始まり、
おなじみの家族ネタや「言い間違い」を。
「熊本出身」の箇所で客席がややどよめいた。

★助六 『代り目』〜あやつり踊り
「話芸」とは言いつつも所作を魅せるところが
助六師匠(伝統的な雷門一門)の特徴。
当然のように、あやつり踊り『かっぽれ』で
新旧寄席ファンが入り混じる客席を湧かせる。

★小南治 『ドクトル』
竹丸師匠の代演。
「私は8月中席のほうが得意」と話しつつ、
イレギュラーながらも大入り袋を客席に見せる。
そして、遊雀師匠に負けじと「一昔前の新作」。
噺の可笑しさを超えてキャラクターが爆発した。

★うめ吉
「本日、初めてお目にかかる気がしません」。
『品川甚句』や『縁でこそあれ』、
『お清しゃもじ』などを経て、春の踊り『夜桜』。

★歌丸 『塩原多助 -出世噺-』
うめ吉さんの「年齢」を多少ネタにしてから、
前回(2015年4月)の続きとなる『出世噺』へ。
圓朝作品はサスペンスな展開が定番だが、
この『出世噺』ではむしろ温かい人情が感じられる。
“多助”が出世していく物語としてではなく、
出世(家を再興)したいと苦しむ物語として――。
「若い内は死を考えがち」という地語りは残し、
江戸に来てからのエピソードは大胆に省略するなど、
今回も「編集者」として才気煥発な高座だった。



――というわけで、久々に拝聴した歌丸師匠の高座で
名作『塩原多助一代記』の後半部分を楽しませていただきました。
恨んだり→殺したり→血が出たりの連続となりがちな
三遊亭圓朝作品にしては珍しく、「因果」が絡んでいるとはいえ、
誰も殺されない『出世噺』はだいぶ落ち着いた物語です。

あらすじだけでは「なんでもない話」と処理されかねませんが、
そこは稀代のストーリーテラー・歌丸師匠のこと。
現代に通用する大胆な「編集」と、緩急のある歯切れよい話芸で、
4月中頃、土曜日の客席に豊かな芸術をもたらしていました。
欲を言うならば、歌丸師匠の「圓朝噺」を今後も聴いていたい……。


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