2015年02月24日

“ミュージカルな司会者”ニール・パトリック・ハリスの歩み(進行形)


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第87回アカデミー賞授賞式にて (2015年2月22日)



このブログをお読みのみなさんは、
アカデミー賞授賞式のオープニングをご覧になりましたか?
……いえ、アカデミー賞授賞式を見たかどうかなんて聞いてません。
アカデミー賞授賞式の「オープニングを」見たかと訊ねてるんです!

……というわけで
突然の逆ギレ・追及モードで幕を開けた今夜のブログですが、
ニール・パトリック・ハリスが初司会を務めた
2015年の第87回アカデミー賞授賞式について振り返りますよ!
(ただし、ミュージカルパフォーマンスの部分のみ。)



その前に、ニール・パトリック・ハリスについてのおさらいです。
俳優のニール・パトリック・ハリス(以下NPH)は、
これまで4度のトニー賞授賞式(2009・2011・2012・2013年)、
2度のエミー賞授賞式(2009・2013年)で司会を務めてきました。

いずれの授賞式でも上質なミュージカルナンバーを披露し続け、
今やトニー賞エミー賞の“顔”のような存在となっています。
もはや、NPHが司会じゃない授賞式なんて物足りないですよね!
(※個人の感想であり、物足りなさには個人差があります。)

NPHがアカデミー賞の司会を務めるのは2015年が初めてですが、
実は、2010年のアカデミー賞授賞式でも
司会者登壇前にオープニングナンバーだけ歌い上げていました
(2010年の司会者はスティーヴ・マーティン&アレック・ボールドウィン)。
今年はまさに、満を持してのアカデミー賞初司会となったわけです。

それでは、トニー賞エミー賞アカデミー賞で披露されてきた
ミュージカルナンバーの数々を振り返ってみましょう。
――ちなみに、トニー賞は演劇・ミュージカルの祭典、
エミー賞はテレビ番組の祭典、アカデミー賞は映画の祭典です。
ここは期末試験に出るところなのでしっかり暗記しておいてください♡


★2009年 トニー賞
『Tonight (トゥナイト)』

作詞:マーク・シェイマン&スコット・ウィットマン
原曲:レナード・バーンスタイン
▼『ウエスト・サイド物語』名曲の替え歌で、今夜の授賞式を総ざらい。



★2009年 エミー賞
『Put Down The Remote (チャンネルはそのままで)』

作詞・作曲:マーク・シェイマン&スコット・ウィットマン
▼“オープニングナンバー伝説”はこの年から! テレビ界に捧げる応援歌。



★2010年 アカデミー賞
『No One Wants to Do It Alone (みんな誰かが必要さ)』

作詞・作曲:マーク・シェイマン&スコット・ウィットマン
▼「今年の司会はボクじゃないってさ」。この年の司会が“2人組”だったので…



★2011年 トニー賞
『Broadway Is Not Just For Gays Anymore
 (ブロードウェイはゲイだけのものじゃない)』

作詞:デイヴィッド・ジャヴァーバウム
作曲:アダム・シュレシンジャー
▼自分の性的指向だってネタにする。ノンケもNYにおいでよ!



★2012年 トニー賞
『What If Life Were More Like Theater
 (もしも人生の舞台が劇場だったなら)』

作詞:デイヴィッド・ジャヴァーバウム
作曲:アダム・シュレシンジャー
▼大御所パティ・ルポーンも登場! 舞台演劇界に捧げるラブソング。



★2013年 トニー賞
『Bigger (規格外!)』

作詞:リン・マニュエル・ミランダ
作曲:トム・キット
▼この年のノミネート作品を紹介しつつ、ド派手にブチかます!



★2013年 エミー賞
『The Number In The Middle Of The Show
 (授賞式の途中ですがミュージカルナンバーをどうぞ)』

作詞:デイヴィッド・ジャヴァーバウム
作曲:アダム・シュレシンジャー
▼中盤のナンバーこそ至高!? サラ・シルヴァーマンも絶賛暴走中!



★2015年 アカデミー賞
『Moving Pictures (活動写真)』

作詞:ロバート・ロペス
作曲:クリスティン・アンダーソン=ロペス
▼『アナ雪』夫妻が作詞・作曲! 映画界に捧げるオマージュソング。



――NPHがトニー賞エミー賞アカデミー賞で披露してきた
ミュージカルナンバーをざっとご紹介しましたが、
デイヴィッド・ジャヴァーバウム&アダム・シュレシンジャーのコンビが
作詞・作曲している曲が多いという事実にはお気付きですよね。

このコンビについては以前にこのブログで取り上げたので、
もののついでにお読みいただければ幸いです。
典型的コメディアンなんていらない!? 「役者司会」がブームの米授賞式
(個人的には、2011年のエミー賞授賞式で
 その年の司会者:ジェーン・リンチが披露したオープニングナンバー
 『TV Is a Vast Wonderland』がお気に入りだったりします。)



毎年、司会者人選が難航しているアカデミー賞授賞式にとって、
トニー賞エミー賞授賞式で功績を挙げてきたNPHは、
アカデミー賞司会者としての「最後の切り札」的存在でした。

今年の授賞式で満を持しての登場となったわけですが、
どうやら、NPHの司会ぶりは米国内外でおおむね好評だった様子。
来年以降、1〜2年おきのペースで
NPHがアカデミー賞の司会に起用される可能性はあると思います。

はたして、ニール・パトリック・ハリスは、
1990年代〜2000年代前半のビリー・クリスタルのように
新「Mr.アカデミー賞」としてその名を歴史に残すのか。
はたまた、ありふれた「準レギュラー司会者」の一員として終わるのか。
さらには、ジャヴァーバウム&シュレシンジャー組の復活はあるのか。

もはや彼が「典型的コメディアン」かどうかなんて関係ない――
一連のミュージカルナンバーに胸をトキメかせてきた私としては、
クリスタル以上の「ミュージカル司会者」である
ニール・パトリック・ハリスの活躍にさらなる期待を寄せるところです。
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2014年11月05日

桂小金治こそが、私にとっての「名人」だった




 桂小金治師匠が亡くなったとの報せが届きました。

 川島雄三監督作品の常連俳優だった時代はもとより、『アフタヌーンショー』や『それは秘密です』といったテレビ番組さえもリアルタイムでは知らない私にとって、桂小金治師匠は「落語界の名人」でした。

 初めて小金治師匠の落語を聴いた時の衝撃は今でも忘れられません。『三方一両損』を聴いて、「かつて人気だったというこのタレントはこんなに落語が上手だったのか」、否、「こんなに噺の上手い落語家がいたのか」と驚きました。チャキチャキの江戸弁で繰り広げられるその高座を拝聴して、「小金治師匠の古典落語を聴いてしまったら、もう他の噺家の古典落語は聴けないな」と思ったほどです。

 それからというもの、なかなか眠りに就けない時や心が荒ぶ時には、CDで小金治師匠の落語を聴きながら眠るようになりました(まるでモーツァルト代わり)。小金治師匠の落語CDは現在のところ2枚しかリリースされていませんが(ソニーミュージック/CURELLE RECORDS)、どちらのCDも小金治師匠の魅力を余すところなく伝えています。

 昭和の「落語黄金期」を知らない青き落語好きである私にすれば、小金治師匠こそが同時代を生きる唯一の「名人」でした。たしかに俺は志ん生にも文楽にも間に合わなかったが、小金治には間に合った。あの『大工調べ』の啖呵を俺は生で聴いたんだぞ――。これが、昭和にタイムスリップすることはできないが現代の若手を追うだけの落語ファンにはなれない、私なりの《誇り》だったのです。

 もちろん、小金治師匠のことを「名人」だと捉えているのは私だけではありません。落語評論家としても右の出る者はいない立川談志師匠(2011年没)も、「江戸の風」を持つ落語家として、志ん生・文楽・圓生・三木助・小さんといった昭和の大名人と小金治師匠を並び称しています。そのことはこのブログでも過去に触れた次第です(2011年5月21日)。

 「桂小金治よりも上手い落語家はいない」と広言してしまうほどまでに、私はその話芸に惚れまくりました。小金治師匠こそは、私が間に合った最初で最後の「名人」だったのです。小金治師匠に対する私の評価を他の落語ファンらがどう思うかは知りません。重要なことはただ一つ、小金治師匠の落語に出会えたことは私にとっての財産だということだけです。

 桂小金治師匠のご冥福をお祈りします。
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2014年10月26日

DVD&ブルーレイで楽しもう! 不滅のメル・ブルックス映画13本


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20世紀フォックススタジオに「メル・ブルックス通り」が完成(2014年10月)


「近年再評価されているメル・ブルックス作品だけど、
 一体どの作品から観ればいいのかよく分からない……」。
そんなあなたのために、メル先生の映画作品をまとめてみました。

全作制覇を試みるも良し、お気に入りの一本を観返すも良し。
DVD/ブルーレイソフトご鑑賞の一助となれば幸いです。
(一部DVD化されていない作品もございますのでご注意ください。)


 <監督・脚本作品>

1. 『プロデューサーズ』(1968年版) [DVD]
出演:ゼロ・モステル、ジーン・ワイルダー、ケネス・マース
▼最低ミュージカル『ヒトラーの春』で大儲け!? 悪徳と友情が交錯する!



2. 『メル・ブルックスの命がけ!イス取り大合戦』(1970年) [VHSのみ]
出演:ロン・ムーディ、フランク・ランジェラ、ドム・デルイーズ
▼没落貴族&ペテン師がお宝を探し求め… 哀愁誘うドタバタ悲喜劇



3. 『ブレージングサドル』(1974年) [DVD/BD]
出演:クリーヴォン・リトル、ジーン・ワイルダー、ハーヴェイ・コーマン
▼保守的な町に黒人保安官がやって来た! 世紀のハチャメチャ西部劇



4. 『ヤング・フランケンシュタイン』(1974年) [DVD/BD]
出演:ジーン・ワイルダー、ピーター・ボイル、マデリーン・カーン
▼フランケンシュタイン博士の孫が怪物を復活… 笑いと恐怖の核融合だ!



5. 『メル・ブルックスのサイレント・ムービー』(1976年) [DVD]
出演:メル・ブルックス、マーティ・フェルドマン、ドム・デルイーズ
▼豪華ハリウッドスター競演! 無声喜劇のギャグがカラーで甦る!



6. 『メル・ブルックス 新サイコ』(1977年) [DVD]
出演:メル・ブルックス、マデリーン・カーン、クロリス・リーチマン
▼巨匠ヒッチコックに愛を込めて… 笑いすぎによるめまいに注意!



7. 『メル・ブルックス 珍説世界史PARTI』(1981年) [DVD/BD]
出演:メル・ブルックス、ドム・デルイーズ、マデリーン・カーン
▼史実はこんなに面白かった! 世界史の裏側を暴く歴史絵巻



8. 『スペースボール』(1987年) [DVD/BD]
出演:ビル・プルマン、ジョン・キャンディ、リック・モラニス
▼宇宙の平和は俺が守る! SFX満載のおバカ版『スター・ウォーズ』



9. 『メル・ブルックス 逆転人生』(1991年) [DVD]
出演:メル・ブルックス、レスリー・アン・ウォーレン、ジェフリー・タンバー
▼大富豪がホームレスに転落!? それでも“人生は捨てたもんじゃない”



10. 『ロビン・フッド 伝説のタイツ男』(1993年) [VHSのみ]
出演:ケイリー・エルウィス、リチャード・ルイス、エイミー・ヤスベック
▼打ち倒せ暴君! 解き放て貞操帯! 愛と勇気と下ネタの冒険活劇



11. 『レスリー・ニールセンのドラキュラ』(1995年) [VHSのみ]
出演:レスリー・ニールセン、メル・ブルックス、ピーター・マクニコル
▼パロディ映画W巨頭が初タッグ! 迷えるドラキュラを成敗せよ!




 <特筆作品>

12. 『メル・ブルックスの大脱走』(1983年) [DVD]
監督:アラン・ジョンソン/製作:メル・ブルックス
出演:メル・ブルックス、アン・バンクロフト、チャールズ・ダーニング
▼ルビッチの名作をリメイク… ナチスに立ち向かった一座の物語



13. 『プロデューサーズ』(2005年版) [DVD/BD]
監督:スーザン・ストローマン/脚本・作詞・作曲:メル・ブルックス
出演:ネイサン・レイン、マシュー・ブロデリック、ユマ・サーマン
▼M・ブルックス初監督作を完全ミュージカル化! ゲイのヒトラーが踊る!




メル・ブルックスとその作品に興味を持った方には、
手前味噌ながら、ぜひこちらのエントリもお読みいただきたい。
私の神様、メル・ブルックス(2011年6月16日)

あなたのMel Brooks Lifeが実り豊かなものとなりますように……
シュワルツと共にあらんことを!
May The Schwartz Be With You!
――『スペースボール』(1987年)
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