2010年03月09日

(03/09) 初夏番発はこの作品をモチーフにします


今日から『一九八四年 [新訳版]』(ハヤカワepi文庫)を読み始めました。
久しぶりに小説読書を再開した私にとって、結構重ための小説かなー?と思いましたが、
文語体とかも読み進んでいくにつれて慣れていくもんなので
この『一九八四年』もそのうちスラッスラッスラッスラッ読んでいけるでしょう。

私がこの小説を読み始めたのには理由があって、
今度のSRC番発(2010年6月予定)で、
私は『未来世紀ブラジル』をモチーフにしたラジオドラマを作りたいと思っているからです。
『未来世紀ブラジル』というのは、私にとっての教科書的存在であるコメディ・グループ
「モンティ・パイソン」のメンバー、テリー・ギリアムが監督した1985年の映画です。

『未来世紀ブラジル』は、テリー・ギリアムいわく「1984年版『1984年』だ!」ということなので、
私は「2010年版『1984年』」を、今度の初夏番発で勝手に作ろうと思ってます。
私にとっての『1984年』は、モチーフ元のモチーフ元なので
一言でいうなれば「大師匠」とでもいったところでしょうか?
(※落語の世界では、自分の師匠の師匠のことを「大師匠」と呼ぶ。)



私が作るのは、原則的に「まじめなコメディー」ですので、
「2010年版『1984年』」も、それなりに笑える作品にはしていきたいなーと思います。
ただ、もしかしたら今までより少し暗めの笑いになるかもしれません。
昨年12月に作った『世紀末少年 〜ノストラダムス再誕〜』というラジオドラマは
明るめの作品だったので、その反動というかなんというか。

でも、今回の初夏番発のテーマは「原点回帰」というところにあるので、
足腰のしっかりした「ラジオドラマ」というものを作りたいです。
音だけで楽しんでいただける、真っ暗な世界でも楽しんでいただける、という。
ビジュアル・コメディーは前回の秋番発『クイーン・ラズベリーの美しき悪趣味な世界』で
表現できたと思うので、今回は「音」の世界観に力を注ぎたいと考えています。

製作日誌は今後ここで書いていきますね。

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2010年03月03日

(03/03) 人生以上、人生未満=人生。


今日は日中ヒマだったので、ずっと読書をしていました。
少し前の私はゼミの課題の新書ぐらいしか読まず、
小説とはご無沙汰の関係になっていたのですが、ついに小説の世界に戻ってきました!

舞城王太郎『ビッチマグネット』(新潮社)。
主人公・香織里の高校時代〜社会人時代までが描かれている小説です。
というよりは、彼女と弟・友徳、そして“ビッチ”=三輪あかりたちの物語。
すべてが香織里の一人称で書かれており、日記を読むような感じで物語は進んでいきます。
「ビッチマグネット」というのは、“ビッチ”な女性ばかりを引き寄せてしまう男、という意味。
思春期を超えて「大人」になる時代を、少し殺伐と表現している小説です。

舞城王太郎さんの小説は、
筒井康隆さんがエッセイで『阿修羅ガール』(新潮文庫)をそれなりに評価していたのを読んで以来、
何冊か読んでいます。
私は過去の舞城作品の中で、この『ビッチマグネット』が一番面白い!と感じたかというと、
正直微妙なところですが、この小説が純粋に面白かったのは事実。
だって、購入してから一気に、3時間ぐらいで読んじゃったから。
小説を一気に読み切るのって、私にしてはとても珍しいことなんですよ。
ということは、だから、私はかなり楽しみながらこの小説を読んでいたのではないかと思います。

『ビッチマグネット』の特筆すべき点は、なんといっても、
主人公・香織里の「これでもか」というほどのメタ視点。
自分を客観視する女性が主人公だから、物語もずーっとクールです。
しかし、舞城作品に共通する殺伐さの迫力が、『ビッチマグネット』では少し抑えめで、
全体的にはあっさりした印象。
私のような読者は、もう少し過激さを求めていたんだけどな〜。
「作家として成長した」「落ち着いた」ということなのだろうか。
ですがもちろん『ビッチマグネット』は面白いですし、色々考えさせられる小説ではあります。

あんまり書いちゃうとネタバレになっちゃうので、一文だけご紹介しますが
「きっと人生ってのがそもそも大したことないのだ」
というくだり(P167)。
ここは「それでも人生は素晴らしいのだ」という意味合いの明るい箇所なんですが、
私はこの部分を読んで、思わずひざをポン!と叩きましたね。
最近ずーっとそのことを考えていたんです。
「有意義な人生を」とか「自殺はいけないよ」とかいうけど、そのそもそもの「人生」っていうものが
もともとふわふわしたもので、生命が持続していること自体が空気のような柔らかさだと。
そう考えると、無駄にプレッシャーを感じて、追い詰められて生きる必要がないことに気付くのです。
たかが人生なのだ、たかが一生なのだ、と。

これ以上深く追求しちゃうと哲学者になるか宗教家になるかしちゃうのかもしれないけど、
人生そこまで深く考える必要なんてないのかもしれない。
だったら、「成功する人生とは?」なんてことを考えることほど馬鹿なことはないことに気付く。
「勝ち組」「負け組」「自己責任」……ぜんぶがバカバカしく思えてくる。
これは命を軽んじているのではなく、むしろ命と向き合っていることなのだ。
そういうことを感じましたね〜。

『ビッチマグネット』という小説自体は、とても読みやすい小説です。
もしよかったら読んでみてくださいね。
『阿修羅ガール』(新潮文庫)もおすすめです。ちょっと怖いけど。

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2010年03月01日

(03/01) コトバダイブして溺れちゃえばいいと思うよ


今日、ようやく1冊の本を読み終わりました。
小説です。
私はこの1年間ぐらい、新書やエッセイ系の本ばっかり読んでいて
小説とはご無沙汰になっていたのでした。
久しぶりに小説を読んで、小説の中の世界に引き込まれて、
「この続きはどうなるんだろう?」というワクワク感を感じました。

今回私が読んだのは、みうらじゅん『自分なくしの旅』(幻冬舎)。
ハードカバーです。
美大入学を志望する浪人生が、東京に上京し、都会の一部に溶け込んでいく物語。
でも、完全に溶け切ることはなくて、それはまるで水に入れた油のようで。

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登場人物は少なく、主人公、両親、地元の友人、そして東京で出会った女子大生。
だらだら、しゃっきっ、ぐだぐだ、ぴしっ。
人間の愚かさはかわいさでもある。そしてそのかわいさは虚しさでもある。
そんなことを感じました。

この本のラストのほうに出てくる文章、ハッとさせられました。
 人を好きになったことは何度もあったけど、人を愛したことなんて一度もなかった。
 だから僕が好きになった人が僕を愛してくれようとした時、どうしていいのか分からなくなった。その愛が重過ぎて、僕は逃げたくなるんだ。
自分もだ、と言いたくなりました。
こんなこと書くと怒られてしまうかもしれないけど、やっぱり女性のほうが「重たい」のでは?
私を含め、男子はどんなに頑張っても、一定以上は重くなれない。
もともとが水素みたいに軽い生き物だから。
でも、女性はたまにものすごーく重たくなったりする。そこらへんが怖いです。
その怖さから男は逃げてしまうんですね。すべての男が、なのかは分からないけど。
だから男は赤ちゃんを産めないのかもしれません。

なんだか少し話が逸れてしまった気もしますが、
みうらじゅん『自分なくしの旅』は、時々胸が痛くなるような青春小説です。
私としては、現役の学生さんにぜひ読んでほしいですね。
あまり大きなドラマがない割には、サクサクと読めますし、楽しめますし。
久々に「小説読もう」っていう気持ちになりました。

早速、明日、書店へ行って小説を買ってこようと思います。
最近全然小説読んでなかったからな〜。
なんでも、人間が一生で読める本の数って、せいぜい4000冊ぐらいなんでしょ?
そう考えると、うわー、人間って読書し切れないまま死んでいくんだなーって思います。
仕事に活かす本ももちろんいいけれど、
そっちの脳じゃなくてあっちの脳を活かすような本も、いいと思いませんか?

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