2018年05月02日

“アメコメ色”の青春映画 『ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル』


先日、TOHOシネマズ渋谷で
映画『ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル』を観ました。

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 <あらすじ>
ニューハンプシャー州の高校に通うスペンサー(アレックス・ウルフ)、
フリッジ(サーダリウス・ブレイン)、マーサ(モーガン・ターナー)ら4人は、
問題行為を起こしたため、罰として地下室を掃除するよう命じられる。
掃除の途中で見つけたテレビゲームをプレイしてみようとしたところ、
4人はそれぞれのアバターとしてゲームの世界に吸い込まれてしまう。
そこは野生動物たちが襲ってくる、危険いっぱいのジャングルだった。



ロビン・ウィリアムズとボニー・ハントが共演した1990年代のヒット作、
『ジュマンジ』(1995年)のラストシーンから本作の物語は始まります。
舞台は1996年、ニューハンプシャー州ブラントフォードの海岸──
砂浜に埋もれていたあの忌まわしきボードゲームが拾われるのです。
本作は1995年公開作のリブートではなく続編という位置付けであり、
オリジナル版の世界観を侵すことなく、ストーリーが進行していきます。

本編冒頭に表示されるフォントが前作のそれと酷似したものだったり、
ウィリアムズが演じた“アラン・パリッシュ”の名前が登場するなど、
本作にはオリジナル=前作へのオマージュが散りばめられています。
とはいえ、決して前作を知らなければ楽しめないわけではありません。
“ジュマンジ”をボードゲームからテレビゲームへと“進化”させたりと、
前作に敬意を払いつつ、新たな世界観を作品に採り入れていました。



本作は、2016年の米国を生きる高校生4人(男子2人&女子2人)が
ゲームの世界の“ジャングル”に入り込む──という設定の映画です。
そのため、ゲームの世界の“ジャングル”ではドウェイン・ジョンソンや
ジャック・ブラック、ケヴィン・ハートらの姿が拝借され続けていても、
この映画は終始一貫して“ティーンエイジャーの物語”であり続けます。
『――ウェルカム・トゥ・ジャングル』の主人公は常に高校生なのです。

その意味で本作は、アトラクション・アドベンチャー映画である以前に、
ユニークな設定を通して描かれた青春映画と見做されるべきでしょう。
ジョン・ヒューズ脚本・監督作『ブレックファスト・クラブ』(1985年)の
21世紀版を狙って制作されたブライアン・ロビンス監督の青春映画
スカーレット・ヨハンソンの百点満点大作戦』(2004年)を想起させる、
自律的な方向への成長を描いた“ティーンエイジャーの物語”でした。

もう一つ感心したのは、この映画がファミリー層向けであると同時に、
コメディマニアをも射程に入れたアメリカンコメディ映画だった点です。
ジョンソンの“キメ顔”、ブラックのちょっとした下ネタやダンスなど、
俳優の持ち味を活かしながらシャープなギャグを盛り込んでいます。
マーシャル博士の恐竜ランド』(2009年)ほどではありませんが、
アメリカンコメディ色が濃厚なアドベンチャー映画だと称えるでしょう。

カレン・ギランの“ダンスファイト”シーンでは、エドガー・ライト監督作
『ショーン・オブ・ザ・デッド』(2004年)の名シーンを彷彿とさせる、
往時のポピュラーソングを使った“音楽アクション”ギャグが提示され、
ジェイク・カスダン監督のまっすぐなコメディ愛を感じさせられました。
特定の属性を嘲り笑うステレオタイプな笑いに走らない点も特徴的で、
本作の出来には天国のウィリアムズもきっと満足しているはずです。



▲ 『ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル』 (2017年) テレビコマーシャル
posted at 23:59 | Comment(0) | 映画・TV | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする |
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