2014年08月12日

ロビン・“シェイクスピア”・ウィリアムズ逝く ―追悼に代えて


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現地時間11日――アメリカのコメディ界を代表する、否、
ショウビズ界を代表する名優ロビン・ウィリアムズが亡くなりました。
享年63。警察の発表によれば、首吊り自殺による窒息死とのこと。
ウィリアムズは重度のうつ病を患っていたとの報道もあります。

ロビン・ウィリアムズのファンを自称できるほど
私はウィリアムズの活動を“追いかけ”てきたわけではありません
(――もっとも、ロビン・ウィリアムズに
 『ストーカー』という主演映画があることぐらいは知っていますが)。

ですから、ここでは、
コメディ界の生きる伝説(93歳!)である
カール・ライナーが記した追悼メッセージを紹介したいと思います。

 (これほどまで才能に溢れ、深く愛され、尊敬されたパフォーマーは他にいない。彼が自ら命を絶ったなんて本当に残念だ。君がいなくなって寂しいよ、ロビン・ウィリアムズ。)

 (天才とは、質の高い仕事を多く残す者のことである。――つまりはシェイクスピアのことだが、しかし、私はロビン・ウィリアムズもまた天才であると考える。)


芸術に携わる者に対してこれ以上の賛辞があり得るでしょうか。
ライナーが記したこのメッセージがあまりにも感動的だったので、
拙訳を通じて、あえてライナーにご登場願った次第です。
自惚れ屋の私でも、さすがにこれ以上の追悼文を書く自信はありません。



――さて、ロビン・ウィリアムズは、
ジョン・リッターというコメディ俳優の盟友でもありました。
リッターは、1970年代後半〜1980年代前半に放送された
ABCのシットコム『Three's Company』の主人公役で一世を風靡し、
以後、アメリカのテレビドラマ・映画で活躍し続けた人物です。

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若かりし頃のウィリアムズ(写真左)とリッター

2003年9月11日、ジョン・リッターは、
ABCのシットコム『パパにはヒ・ミ・ツ』のリハーサル中に突然倒れ、
すぐに病院に運ばれましたが、そのまま帰らぬ人となりました。
その後、主人公を失った『パパにはヒ・ミ・ツ』は
“パパ”抜きの物語としてシリーズを継続します(2005年終了)。
劇中でも“パパ”は突然死去した設定となり、
しばらくの間、父を失った家族のショックと悲しみが描かれました。

ウィリアムズは1980年代から禁酒生活を送っていましたが、
2004年頃、またもお酒に手を出してしまいます。
その最大の理由の一つとして挙げられているのが、
盟友だったジョン・リッターの突然の死です。
悲しみのあまり、彼は再びお酒に手を出したと推測されています。

――ウィリアムズを追悼するためだけのエントリにするはずが、
彼の盟友であるジョン・リッターについても触れてしまいました。
本当はもう一つ書こうと思っていたことがあるのですが、
それについてはもう少し言葉がまとまってから出直すことにします。



いずれにせよ、ロビン・ウィリアムズを失ったことに対して、
私たちが生きるこの世界は嘆き悲しまなければなりません。
なにしろ、大統領の代わりになる人はどの時代にも何人かいますが、
ウィリアムズの代わりになる人はどの時代にも一人もいないのだから。

そして、コメディを愛している者たちは、
一通り嘆き悲しんだ後には「あること」をしなければなりません。
それは、遺されたロビン・ウィリアムズの作品を楽しむことです。
幸いなことに、ウィリアムズの出演作は大半がソフト化されています。
日本でも彼の出演作を鑑賞することは難しくありませんね。

あえて一作だけ挙げるとすれば、私のおすすめは、
ポール・マザースキー監督『ハドソン河のモスコー』(1984年)。
そして、前言を翻してあともう一作だけ挙げるとすれば(!)、
ロビン・ウィリアムズのもしも私が大統領だったら…』(2006年)
というバリー・レヴィンソン監督作品もおすすめしておきます。

感動的なドラマ作品である『いまを生きる』(1989年)や
パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー』(1998年)での
ロビン・ウィリアムズを見ているとついつい忘れがちですが、
NBC『サタデー・ナイト・ライブ』に出演していた頃の
ウィリアムズは非常に攻撃的なスタンダップコメディアンでした。

社会風刺を織り交ぜたスタンダップコメディは彼の十八番で、
『ロビン・ウィリアムズのもしも私が大統領だったら…』では、
攻撃的なコメディアンとしての本来の姿が発揮されています。
アドリヴの演技に後から絵を合わせた『アラジン』(1992年)でも、
ロビン・ウィリアムズの芸達者ぶりを堪能することができます。



誰もが頭では分かっているように、時計の針は元に戻せません。
私たちに許されているのは過去を振り返ることだけです。
そして、ロビン・ウィリアムズの遺した多くの作品を楽しむとき、
ウィリアムズは決して「過去の人」などではなく
「現在の人」として、私たちの心を明るく照らしてくれるはずです。


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Excerpt:  映画俳優のロビン・ウィリアムズ(Robin Williams)氏が自宅で亡くな
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