2014年10月26日

DVD&ブルーレイで楽しもう! 不滅のメル・ブルックス映画13本


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20世紀フォックススタジオに「メル・ブルックス通り」が完成(2014年10月)


「近年再評価されているメル・ブルックス作品だけど、
 一体どの作品から観ればいいのかよく分からない……」。
そんなあなたのために、メル先生の映画作品をまとめてみました。

全作制覇を試みるも良し、お気に入りの一本を観返すも良し。
DVD/ブルーレイソフトご鑑賞の一助となれば幸いです。
(一部DVD化されていない作品もございますのでご注意ください。)


 <監督・脚本作品>

1. 『プロデューサーズ』(1968年版) [DVD]
出演:ゼロ・モステル、ジーン・ワイルダー、ケネス・マース
▼最低ミュージカル『ヒトラーの春』で大儲け!? 悪徳と友情が交錯する!



2. 『メル・ブルックスの命がけ!イス取り大合戦』(1970年) [VHSのみ]
出演:ロン・ムーディ、フランク・ランジェラ、ドム・デルイーズ
▼没落貴族&ペテン師がお宝を探し求め… 哀愁誘うドタバタ悲喜劇



3. 『ブレージングサドル』(1974年) [DVD/BD]
出演:クリーヴォン・リトル、ジーン・ワイルダー、ハーヴェイ・コーマン
▼保守的な町に黒人保安官がやって来た! 世紀のハチャメチャ西部劇



4. 『ヤング・フランケンシュタイン』(1974年) [DVD/BD]
出演:ジーン・ワイルダー、ピーター・ボイル、マデリーン・カーン
▼フランケンシュタイン博士の孫が怪物を復活… 笑いと恐怖の核融合だ!



5. 『メル・ブルックスのサイレント・ムービー』(1976年) [DVD]
出演:メル・ブルックス、マーティ・フェルドマン、ドム・デルイーズ
▼豪華ハリウッドスター競演! 無声喜劇のギャグがカラーで甦る!



6. 『メル・ブルックス 新サイコ』(1977年) [DVD]
出演:メル・ブルックス、マデリーン・カーン、クロリス・リーチマン
▼巨匠ヒッチコックに愛を込めて… 笑いすぎによるめまいに注意!



7. 『メル・ブルックス 珍説世界史PARTI』(1981年) [DVD/BD]
出演:メル・ブルックス、ドム・デルイーズ、マデリーン・カーン
▼史実はこんなに面白かった! 世界史の裏側を暴く歴史絵巻



8. 『スペースボール』(1987年) [DVD/BD]
出演:ビル・プルマン、ジョン・キャンディ、リック・モラニス
▼宇宙の平和は俺が守る! SFX満載のおバカ版『スター・ウォーズ』



9. 『メル・ブルックス 逆転人生』(1991年) [DVD]
出演:メル・ブルックス、レスリー・アン・ウォーレン、ジェフリー・タンバー
▼大富豪がホームレスに転落!? それでも“人生は捨てたもんじゃない”



10. 『ロビン・フッド 伝説のタイツ男』(1993年) [VHSのみ]
出演:ケイリー・エルウィス、リチャード・ルイス、エイミー・ヤスベック
▼打ち倒せ暴君! 解き放て貞操帯! 愛と勇気と下ネタの冒険活劇



11. 『レスリー・ニールセンのドラキュラ』(1995年) [VHSのみ]
出演:レスリー・ニールセン、メル・ブルックス、ピーター・マクニコル
▼パロディ映画W巨頭が初タッグ! 迷えるドラキュラを成敗せよ!




 <特筆作品>

12. 『メル・ブルックスの大脱走』(1983年) [DVD]
監督:アラン・ジョンソン/製作:メル・ブルックス
出演:メル・ブルックス、アン・バンクロフト、チャールズ・ダーニング
▼ルビッチの名作をリメイク… ナチスに立ち向かった一座の物語



13. 『プロデューサーズ』(2005年版) [DVD/BD]
監督:スーザン・ストローマン/脚本・作詞・作曲:メル・ブルックス
出演:ネイサン・レイン、マシュー・ブロデリック、ユマ・サーマン
▼M・ブルックス初監督作を完全ミュージカル化! ゲイのヒトラーが踊る!




メル・ブルックスとその作品に興味を持った方には、
手前味噌ながら、ぜひこちらのエントリもお読みいただきたい。
私の神様、メル・ブルックス(2011年6月16日)

あなたのMel Brooks Lifeが実り豊かなものとなりますように……
シュワルツと共にあらんことを!
May The Schwartz Be With You!
――『スペースボール』(1987年)
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2014年10月25日

“挫折”を抱きしめながら生きていけ! 『プレーンズ2』


先日、渋谷HUMAXシネマで
映画『プレーンズ2/ファイアー&レスキュー』を観ました。

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 <あらすじ>
プレーンズ』で世界一のレーサーになったダスティだが、
速さを追求する傲慢さゆえに空港で火事を引き起こしてしまう。
空港の営業許可が取り下げられるのを防ぐため、
ダスティは森林火災を鎮火するレスキュー隊に仮入隊する。
消防活動にも馴染んできたある日、想定外の大火災が発生し……。
(以下、ネタバレを含みます!)


『プレーンズ2』は、単なる子ども向けアニメではありません!
もちろん、小さな子どもも十分に楽しめる作品なのですが、
製作者はむしろ子どもの保護者をターゲットにしている節があります。
'70年代のテレビドラマ『白バイ野郎ジョン&パンチ』のパロディは、
米国のテレビチャンネルでいくらドラマの再放送が多いとはいえ
明らかにオトナ世代の遊び心をくすぐるためのアトラクションでした。



この映画は、実は物語もかなりオトナ向けです。
レスキュー隊の隊長:ブレードはかつてはテレビスターでしたが、
相棒を不慮の事故で失ったことで、やむなく消防士に転職しました。
現在は、テレビスターだった過去を“黒歴史”として処理しています。
この映画では、鎮火ミッションが思い通りにいかないだけではなく、
人生そのものが思い通りにいかないものとして定義されているのです。

また、レスキュー隊に入隊したばかりのダスティが
消防署の壁に飾られている“名誉勲章機”の写真を見ながら
「ここに飾られるためにはどうすればいいの?」と尋ねる場面では、
ある隊員が「墜落すればいいんだよ」と返答します。
物語がすべてハッピーエンドを迎えるわけでないと暗示する、
旧来のディズニー/ピクサー作品らしからぬシニカルな場面ですね。

物語の後半では、リニューアルオープンしたホテルの支配人が
パフォーマンスのためにスプリンクラーを独占した結果、
レスキュー隊の消防活動に悪影響が生じ、森林火災が拡大します。
これを、見せかけの派手さを追い求める経済至上主義を揶揄したもの
……と分析してみせるのは、決して深読みではないでしょう(笑)。

とはいえ、この映画はそれほど重苦しい映画ではありません。
隊員たちの疾走シーンを観て心が爽快になりましたし、
目の前の命を救うため任務に励む隊員たちの姿には感動しました。
日本語吹替版ダスティ役の瑛太さんは相変わらずハマり役で、
ハリセンボン・近藤春菜さんもディッパー役を好演しています。

近年のディズニー作品は明確に哲学的なものばかりですが、
『アナと雪の女王』に並んで、この作品はその極め付けの一本です。
過度に楽天的だった旧来のディズニーキャラクターとは異なり、
本作『プレーンズ2』のキャラクターたちは
人生における挫折や悔恨を深く自覚した上で現実を生きています。
この映画では、たとえどんなことがあっても人生を捨てず、
「だからこそ」誠実に生きていくことの大切さが訴えられているのです。
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2014年10月09日

今ここにある善意を「透明」に… 歌丸の『紺屋高尾』


今日は、大田区民プラザ 大ホール で開かれた
『第79回プラザ寄席 桂歌丸独演会』へ行ってきました。

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 <本日の番組>

開口一番:(前座) 桂竹のこ 『雛鍔』
落語:桂歌丸 『鍋草履』

 〜お仲入り〜

太神楽:鏡味正二郎
落語:桂歌丸 『紺屋高尾』



★竹のこ 『雛鍔』
なんと、またもや開口一番は竹のこさん!(嬉)
「私は桂歌丸ではございません」
「女子大での落語は緊張しましたが……」を経て『雛鍔』。
途中、言葉が詰まり掛かるところもあったが、
「羊羹を出せ」と細かく言いつける場面を軽快に魅せる。

★歌丸 『鍋草履』
板付きで登場。入院中のエピソードを語る。
『笑点』メンバーがお見舞いに来たというお話や
「最近のバラエティ番組はつまらない」という率直なお話、
50年に及ぶ『笑点』の歴史を楽しく聴かせた。
先代今輔師匠の「歌舞伎を見ろ」という教えを紹介し、
歌舞伎の客に毒づく定番のマクラから『鍋草履』へ。
毎年正月興行で聴く歌丸師匠の十八番だが、
ホール落語のためか、今夜は所作が大仰で新鮮。
聴き慣れている噺だけれども、師匠の魅力を堪能した。

★正二郎
食い付きは、若くて(?)爽やかな正二郎師匠による
鞠→「遠心力」→五階茶碗→皿回し→傘廻し。
“五階茶碗”では「下丸子に到着〜」とサービスを忘れない。
出刃庖丁を用いての“皿回し”にはドキドキさせられたし、
「遠心力」の芸もくだらなくてチャーミングであった。

★歌丸 『紺屋高尾』
再び緞帳が下がり、板付きで「昭和33年3月31日……」。
ちなみに、区民プラザの近くは旧赤線地帯だったりする。
歌丸版『紺屋高尾』はよく聴く型とは若干異なる内容で、
“蘭石”が“久蔵”の恋煩いを言い当てるという筋書き。
“親方”は3年後まで“久蔵”が寝込んだ理由を知らない。
登場人物は誰も嘘をつかない善良なキャラクターなのだ。
“蘭石”が“久蔵”に「大尽」役をレクチャーする場面では、
「竹のこ? ……人を前座みたいに言わなくても……」。
さらに、“高尾太夫”の美しさを流麗に解説する場面でも
「この文句を考えるのに半年かかった」と笑いを挟む。
ついに“高尾”に会えた“久蔵”がついたたった一つの嘘は、
歌丸版『紺屋高尾』に出てくる唯一の嘘。
しかし、“久蔵”は嘘をつく自分に耐えられなくなって、
すぐに「自分は職人なんです」と本当のことを告白する。
そして訪れた来年2月15日、「傾城に誠なしとは誰が言うた」。



――リアル近所(自宅から5分)で開催された『桂歌丸独演会』。
歌丸師匠の落語を一晩に2席も楽しむという、
個人的にとても贅沢で幸せな2時間を過ごさせていただきました。
開口一番が竹のこさんだったのも実はすごく嬉しかったりして。
……それにしても、会場からすぐに帰宅できて何だか申し訳ない!

歌丸師匠の一席目『鍋草履』は毎年1度は聴くネタですが、
今夜の『鍋草履』は『鍋草履』史上(?)最も充実した高座。
これまでの高座と較べて噺の色彩が鮮やかに感じられました。
二席目の『紺屋高尾』は“遊郭版『井戸の茶碗』”といった趣で、
善良な登場人物たちが織り成すそのドラマは今の私に「適温」。

今夜の『紺屋高尾』が、単純なラヴストーリーとしてではなく
人間の善性そのものを信頼させる物語として仕上がっていたのは、
きっと、横浜・真金町の遊郭で生まれ育った歌丸師匠が
一人ひとりの登場人物に優しさを注ぎ込んでいたからでしょうね。
どの人物にもイヤミなところがない、清らかな『紺屋高尾』でした。

昔から「嘘も方便」とはよく言うけれど、
政治家でもない限り、できれば嘘はつかずに生きていきたい。
嘘をつき続けるのに耐えられず本当のことを言った“久蔵”のように、
本当のことを言われても腹を立てなかった“高尾太夫”のように、
誰かの願いを否定するのではなく応援した“親方”や”蘭石”のように、
私自身に根差しているはずの善意を「透明」にしていきたいものです。


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posted at 23:59 | Comment(0) | TB(0) | 落語・笑い | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする |
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