2014年03月29日

“ベルギーのM・ブーブレ”!? 新進歌手ヤニック・ボヴィの魅力とは


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普段の私は、名人上手の「落語」CDを聴きながら眠りに就きます
(残念なことに翌朝には目が覚めてしまうのですが)。
落語以外の「音楽」を聴きながら眠ることもないわけじゃないですが、
「音楽」といっても聴くのはミュージカルのサントラばかり。
Betty Blue Eyes』のサントラは最強の安眠アイテムですね。

ところが、ここ最近の私ったらどうしたことでしょう。
就寝時に「ミュージカルじゃない普通の音楽」を聴いているのです!
ベルギー人男性歌手 ヤニック・ボヴィ(Yannick Bovy)
1stアルバム『Better Man』を聴きながら眠る日々を迎えるなんて、
わずか1か月前の自分からは想像もできません!(大げさな……。)



――ヤニック・ボヴィは、1986年10月にベルギーで生まれました。
2011年に『She's Even More Beautiful』でシングルデビューし、
2012年には1stアルバム『Better Man』を発表。
その後、オランダや中国、インドネシアでもライヴ活動を展開し、
今年(2014年)9月には待望の2ndアルバムをリリース予定です。

1stアルバム『Better Man』には、6曲のオリジナル曲と
9曲のカヴァー曲(ボーナストラック含む)が収録されています。
カヴァー曲の多くはスタンダードジャズのカヴァーなので、
私のような「ジャズカヴァー好き」にとってはとっても楽しいアルバム。
(ちなみに、ヤニックは子どもの頃から、フランク・シナトラや
ナット・キング・コールのジャズアルバムをよく聴いていたそうです。)



それでは、アルバム『Better Man』収録曲をいくつかご紹介します。
(例によって、YouTubeからライヴ映像を引っ張ってきました。)
『Better Man』 International Edition
Tracklist 青字はオリジナル曲、赤字はカヴァー曲)

1. All My Loving
2. I've Got You Under My Skin
3. She's Even More Beautiful
4. She Don't Know It
5. Better Man
6. My Cherie Amour
7. Hold On
8. I Wanna Be Around
9. Theoretical Love
10. Perfect
11. Baby, I Know
12. Fly Me to the Moon
13. Cheek To Cheek
14. Smoke Gets In Your Eyes
15. L.O.V.E.

★All My Loving
アルバム1曲目を飾るのは、ビートルズの名曲のカヴァー。
スピードラーニング並みに聴き取りやすい英語ですね。
この動画からは、ヤニックの口パク技術の高さがうかがえます。


★Better Man
アルバム表題曲(オリジナル曲)。
「ジャズ歌手」らしくない、21世紀風(?)のポップな曲です。
PVでは、普段は見られないヤニックのタンクトップ姿が拝めます。


★I Wanna Be Around
シナトラもトニー・ベネットも歌ったポピュラーミュージック。
ああ〜、たまらない! 胸がとろける!
私はジャズが好きなのか? ヤニック・ボヴィが好きなのか?


★Theoretical Love
再びオリジナル曲。PV有。
ジャズを歌うかポップスを歌うかで、彼は歌い方が変わるんですね。
洋楽に疎い私ですが、この曲がいい曲だということぐらいは分かります。
“Love is not a concept.”という歌詞が泣かせるなあ……。


★Perfect
フェアーグラウンド・アトラクションの代表曲をカヴァー。
25年以上前の名曲がヤニックの優しい歌声とマッチしていて、
会場の中高年層も盛り上がっています。


★Cheek To Cheek
この曲のマニアとしてはアンソニー・ストロング版も捨てがたいですが、
ヤニックのザ・正攻法な『Cheek To Cheek』も素敵です。


★Jump
この曲はアルバムに収録されていませんが、
あまりに美しいカヴァー&アレンジなのでご紹介しておきます。
ヴァン・ヘイレンの名曲がこんなにも甘くて優しい歌になるなんて!


★Smile
不滅のチャップリンメロディ。この曲もアルバム未収録です。
アップテンポなこのアレンジはいくらなんでも素晴らしすぎる!


★All Of Me
私は『All Of Me』という曲を病的に愛しているのですが、
この曲をここまで真っ直ぐに歌う歌手にはそうそうお見にかかれません。
「この人、ジャズが好きなんだなあ」と感じさせられるビデオですね。
(……はい、どうせこの曲もアルバム未収録ですよ!)



――というわけで、調子に乗っていくつも動画を貼りすぎました。
歌い方を変えてジャズもポップスも歌い上げるヤニックの歌声を聴くと、
「音楽はジャンルレス」という八代亜紀さんのお言葉を思い出します。
それが「ジャズ」であれ「ポップス」であれ「演歌」であれ、
「人の心に届ける音楽」という点では何にも“差”などないのですよね。

期せずして私がヤニック・ボヴィの歌声に惹かれたのは、
誤解を恐れずに言えば、彼が「歌が上手すぎないから」だと思います。
もちろんプロの歌手ですから言うまでもなく「上手い」のですが
(少なくとも私の1億2000万倍は歌が「上手い」ですね)、
“歌酔い”して気持ち悪くなるような「上手さ」ではありません。
いわゆる「奇跡の歌声」的なものではない朗らかで優しい歌声なので、
落ち着いた気持ちでその歌声を“楽しむ”ことができるのです。

ヤニックは「ベルギーのマイケル・ブーブレ」と呼ばれているそうですが、
個人的には「爽やかでポップなディーン・マーティン」、
「若くてクリーンなフランク・シナトラ」とあだ名して差し上げたい(笑)。
今年(2014年)5月に発売予定の2ndアルバムを待ち望みつつ、
不眠症のはずの私は今夜も彼の歌声に寝かしつけられるのでした――。


▲ 2012年、ベルギーで放送された(と思しき)TVコマーシャル。
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2014年03月21日

4(クセある作品)×4(個性的な演者)=!? 『圓朝に挑む!'14』


今日は、国立演芸場で開かれた
特別企画公演『圓朝に挑む!』へ行ってきました。

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 <本日の番組>

開口一番:(前座) 林家けい木 『十徳』
落語:柳亭左龍 『茗荷宿屋』
落語:橘家圓太郎 『粟田口霑笛竹』

 〜お仲入り〜

落語:鈴々舎馬るこ 『宗悦殺し』
落語:春風亭百栄 『雨夜の引窓』



★けい木 『十徳』
前座さんとは思えぬ落ち着き具合で、
語り口もしっかりとしている。
開口一番ながら、客席もかなり湧いていた。

★左龍 『茗荷宿屋』
「この時間は気楽に聴いて」とことわってから、
“圓朝噺”にしては陽気でのどかな『茗荷宿屋』。
この噺、普段の寄席の定席でかかってもおかしくない。
左龍師匠の愉快な話芸のおかげで、素直に楽しめた。

★圓太郎 『粟田口霑笛竹』
“圓朝噺”はホントに登場人物が多すぎる!
説明台詞も多く挟まねばならない『粟田口霑笛竹』を、
圓太郎師匠は上手く構成していたように思う。
物語自体にも見どころ聴きどころはあるのだが、
むしろ圓太郎師匠の腕前に惚れ惚れさせられた。

★馬るこ 『宗悦殺し』
圓朝の代表作『真景累ヶ淵』第一話、『宗悦殺し』。
殿様が按摩を殺して気が狂うという(だけの)噺だが、
聴く者を飽きさせぬ工夫を施す馬るこさんはさすが。
ドスのきいた“宗悦”像が不気味でちょっと怖い。

★百栄 『雨夜の引窓』
「圓朝作品でトリを取ることになるとは思わなかった」
「圓朝は作品内で人を殺しすぎ」と語ってから噺に入る。
この噺は上方落語『算段の平兵衛』のオリジナル版で、
“死体”があちこち引きずり回される展開がコミカル!
(『ハリーの災難』との類似は多くの識者が指摘する通り)。
薄暗きファンタジックな世界を、百栄師匠は巧妙に表現。



――というわけで、本日は4つの“圓朝噺”を楽しみました。
4席続けて“圓朝噺”を聴くと、圓朝のクセがよく分かります。
現在の私はまだ「圓朝論」を語れるレベルではないけれど、
本日は“圓朝噺”を通して三遊亭圓朝の人間性を感じました。

それにしても、本日の演者は実力派でもあり個性的でもあり。
“圓朝噺”へのアプローチの仕方が四者四様で興味深かったです。
クセのある煩雑な作品を、4名とも上手く調理したと思います。


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2014年03月16日

一足早く「春」を感じる昼下がり… トリは小柳枝『花見の仇討』


今日は、国立演芸場 3月中席 へ行ってきました。
主任は、春風亭小柳枝師匠。

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 <本日の番組>

開口一番:(前座) 桂たか治 『子ほめ』
落語:(交互) 春風亭笑松 『皿屋敷』
コント:チャーリーカンパニー
落語:(交互) 春風亭鹿の子 『花見小僧』
漫才:宮田陽・昇
落語:柳家蝠丸 『高尾』

 〜お仲入り〜

奇術:瞳ナナ
落語:春風亭柳好 『目薬』
太神楽曲芸:翁家喜楽・喜乃
落語:(主任) 春風亭小柳枝 『花見の仇討』



★たか治 『子ほめ』
やや遅れて入場したため、ロビーにて噺を聴く。

★笑松 『皿屋敷』
これまでに聴いた笑松さんの高座の中で、
本日の『皿屋敷』が最も面白かった。
途中に太鼓も入り、“緊張と緩和”の一席。

★チャーリーカンパニー
「尾津家」のコント。
お客の入った会場で聴くと楽しくなる。

★鹿の子 『花見小僧』
この出番で『花見小僧』が聴けるとは!
特にどこの場面を端折るでもなく、
鹿の子師匠の魅力が散りばめられた高座。
「女流噺家で一番上手いのでは?」と感じたほど。

★陽・昇
「出身地」「確定申告」「子育て」などなど。
佐村河内ネタもあり、油断して聴いていられない。

★蝠丸 『高尾』
仲入り前は、蝠丸師匠で十八番の『高尾』。
“仙台高尾”のエピソードを紹介する地噺で、
話題の脱線具合が聴く者の心持ちを穏やかにする。
『反魂香』の“高尾”って、この“高尾”だったんだな。

★瞳ナナ
『トキメキドキッ!』をBGMにイリュージョン。
なかなか派手なマジックで、素直に感動した。
今月発売の雑誌に水着グラビアが掲載されるらしい。

★柳好 『目薬』
マクラで客席の心を掴んだ後、“夫婦噺”の『目薬』。
手慣れた感じ。結構ウケていた。

★喜楽・喜乃
「五階茶碗」〜「卵落とし」〜「輪の投げ合い」。
当然ながら、どれも見事キマっていた。

★小柳枝 『花見の仇討』
平成25年度芸術祭大賞を受賞した小柳枝師匠。
「花見」のマクラで早速愉快な気持ちにさせられ、
本編である『花見の仇討』でも大いに笑わされた。
後半、“侍”が出てきてからの予想外の展開は、
特に小柳枝師匠のニンに合っていたような。
ますます小柳枝師匠を好きになる素敵な高座だった。



――というわけで、本日は、
「春」を感じる落語で明るい気持ちになりました。
主任=小柳枝師匠の『花見の仇討』には腹を抱えたし、
鹿の子師匠によるまさかの『花見小僧』にも満足。
落語家の喋る落語の数ほど、「落語」はあるんですね
(あえて言うなら、「客の数ほどある」とも言えるかも)。


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posted at 23:59 | Comment(0) | TB(0) | 落語・笑い | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする |
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