2010年10月29日

「青山寄席」で刺激を受けた


今日は、
青山学院大学で開かれている「青山祭」へ行ってきました。
いつも大変お世話になっている
ABSさんの番発へお邪魔した後、
青山学院大学落語研究部さんの「青山寄席」を観てきました!

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「青山寄席」自体は午後2時から始まっていて、
私が行ったのは午後4時ぐらいからだったのですが、
たくさんの噺、たくさんの個性を拝見することができて楽しかったです。



〜本日の演目〜

16:00〜
扇粋亭ひらめ 『金明竹』
G亭O 『天狗裁き』
おもち家ぶりき 『幇間腹』
三川川三 『湯屋番』

17:00〜
雷々軒ちゃおず 『粗忽長屋』
有化理亭絶斗 『死神』
渋家写楽齋 『初天神』
九々舎丹歌(主任) 『替り目』



みなさん、高座名が面白いですね〜!
渋家写楽齋さんは、31日(日)に
「六代目・料亭花柳」を襲名するとのこと。
かつては、青学落研さんの大先輩・三遊亭円楽師匠(当代)が
学生時代に名乗っていた名跡なんだとか。

今日は8名の方の落語を拝見したわけですが、どの方もそれぞれ、
ピカリと光るものというか、印象的な部分があります。
どうせなので、一言ずつ言及させていただきますか……。

扇粋亭ひらめさんの『金明竹』は、途中から拝見したのですが、
とても誠実な落語スタイルに好印象を持ちました。
G亭Oさんがやった『天狗裁き』は私も大好きな噺なので、
個人的にはすごく嬉しかったし、語り口もとても面白かったです。
おもち家ぶりきさんは、マクラで実際に見せて紹介してくれた
「レッドブルのタブ」が、まさかの形で噺に活きていて、独創性豊か。
三川川三さんの『湯屋番』は完成度が高くて、
妄想の素晴らしさが伝わってきました(笑)。

雷々軒ちゃおずさんの『粗忽長屋』は、まずマクラが面白くて、
「きっとこの人、落語が大好きなんだなー」という気持ちを感じました。
有化理亭絶斗さんはAKB48の熱狂的ファンということで、
AKB48のギャグがふんだんに織り込まれた『死神』。とてもよかった!
渋家写楽齋さんの『初天神』からは、正統派というか本格派というか、
ストレートな落語愛を感じたような気がします。
トリの九々舎丹歌さんの『替り目』は、現代の夫婦が主人公。
新作風な仕上がりになっていて、
アドリブも随所に入りつつ、面白かったです。

みなさんキャラクターがブッ飛んでるというか、
なんか近寄っちゃいけないような
雰囲気すら感じてしまったのですが(私が言うか)、
そこがとても青学落研さんの持ち味なんだと思います。
とても刺激を受けたし、とても参考になりました。
特に、古典を現代風にアレンジする姿勢は、
本当に素晴らしいと思います。
私も、そこは非常に重要な要素かな、と思っているので。



……というのも、実はこの私、
来月11月20日(土)・21日(日)に開かれる
成蹊大学の文化祭「欅祭(けやきさい)」で、落語をやるのです。
ラジオ部1年・英明くんが企画した
「有志・お笑いライブ」に出演するのですね〜。

「有志・お笑いライブ」

日時 / 2010年11月20日(土) @午前10時30分〜 A午後2時30分〜
              21日(日) @午前10時30分〜 A午後2時30分〜
会場 / 成蹊大学(東京・吉祥寺) 8号館 2階 8-203教室
※入場無料

2日間全4公演、つまり私は全部で4席落語を演じることになるのですが、
はたして上手くいきますことやら……。
今のところ、2日間のうち、噺の内容がダブる回もありそうです。
私の落語のほか、英明くんのピン芸、
『裏番発2010』でも好評だった
英明くんと勇作の漫才もありますので、お楽しみに。



――なんか最後、宣伝になっちゃいましたが、
とにかく、同じ年代の学生さんがやっている落語は、
非常に刺激的でした。
私もめっちゃ頑張らなきゃいけない!と思いました。

11月7日(日)には、ラジオクラブとしての秋番発もあるのですが
(私はOP・ED企画を担当するほか、少し番組に出演します)
「欅祭」お笑いライブに備えて、落語も同時進行で練習中。
片手には、
現在愛読中の『寄席は毎日休みなし』(春風亭柳昇師匠・著)。
まじめに稽古しなけりゃ、何事も報われませんからね……。
普段は、脚本担当として
「台本完成してお仕事終了〜」みたいな部分もあるのですが、
それで終われないことがあるというのは、いい意味で強い緊張感。

すべてに一生懸命、取り組んでまいります。
……っていうか、「ここで抑えて、あそこで跳ねて」
とかいうペース配分は、不器用な私にはできないようなので……。
posted at 23:59 | Comment(2) | 落語・笑い | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする |

2010年10月25日

1人の古典派+3人の新作派=21世紀の名人 『よってたかって秋らくご』


今日は、池袋にある東京芸術劇場・中ホールに行って、
『よってたかって秋らくご 21世紀スペシャル寄席ONEDAY』
という落語会に行ってきました。

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ポスターを見ていただければ分かる通り、
三遊亭白鳥師匠、
柳家喬太郎師匠、
柳家三三師匠、
春風亭百栄師匠の四名が出演。

個人的には超豪華な顔ぶれだな〜と思います。
三三師匠以外、“新作派”と呼ばれる方々で、
今夜は三席も新作落語を観ることができました!
新作落語を愛する私としては、非常に大満足な落語会でした。



それでは、本日上演された演目をご紹介。

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★入船亭辰じん 『道灌』
入船亭扇辰師匠のお弟子さん、
二ツ目の辰じんさんによる開口一番です。
マクラで携帯電話の注意アナウンスを行って、
「これで私の仕事は終わりました」。
これに好感を持ちました(笑)
聞き取りやすい声で、前座さんだけどお上手だな〜と思いました。

★柳家三三 『締め込み』
泥棒が一軒の空き巣に入るが、そこに主人が帰ってきてしまう。
あわててぬか床に隠れる泥棒だったが、
居間に風呂敷を忘れてしまった。
主人は風呂敷を見て、女房に新しい男ができたのだと勘違いし……。
「喧嘩するほど仲がいい」を絵に描いたような、江戸前な夫婦。
耳に心地よい女房の啖呵が、この噺のみどころ。
三三師匠はマクラも面白く、
終始「三三流・古典ワールド」が展開されました。
本寸法の古典落語、三三師匠は素敵に演じてくれますね!

★三遊亭白鳥 『聖橋』
タイトルとは裏腹に、相当キツいシャレが効いた(笑)新作落語。
古典ばかりやっていて売れない噺家・柳家ミミ(笑)。
ミミは、柳家オヨンジ師匠の弟子です。
ある日、池袋演芸場・シンドウさんの計らいで、
あのタチカワ・ダンシ師匠との二人会が開催されることになります。
しかも、『文七元結』のリレー落語。
出番前、ダンシ師匠から
「客は俺を見に来てるんだから、お前は地味にやれ」
と言われますが、
妻から「名人を食え!」と言われてしまったミミは、
独特の「ミミ・ワールド」満載の『文七元結』を演じてしまい……。
落語ファンにはたまらない、相当ブラックな噺です。
やっぱり白鳥師匠は最高に面白いと感じました!大爆笑!

〜 仲入り (10分間) 〜

★春風亭百栄 『甲子園の魔物』
毎年白熱する高校野球。
「甲子園には魔物が棲んでいる」とはよくいったものですが、
実は、本当に甲子園には魔物が棲んでいた……という噺です。
もともとは古今亭今輔師匠(当代)が作った新作落語だそうですが、
「百栄流」に味付けされていて、たくさん笑わせてもらいました。
私自身、百栄師匠の落語を聞くのは本当に久しぶりな感じでしたが、
やっぱり百栄師匠は私のアイドル!
この人の芸風、笑いのセンス、本当に大好きです。
しっかり、
また百栄師匠の追っかけを再開しようと思ってしまいました。

★柳家喬太郎 『すみれ荘201号』
喬太郎師匠はサラリーマン時代、
実は銀座の「福家書店」で働いていたんだそうです。
その「福家書店」銀座店が、ちょうど今日閉店ということで、
今日、本番前に銀座まで足を運びに行かれたそうな。
サラリーマン書店員時代のエピソードを、マクラで。
「今夜は、その時代にこしらえたネタを、私の思い出に乗せて」
ということで、『すみれ荘201号』という噺を演じてくれました。
この噺、私は過去にもこの芸術劇場で聴いていますが、
素晴らしく感動的な噺です。
「落研」であることお互い隠していたカップルの物語。
サゲの後、
「ここで終わっておかないのは野暮ですが……」と前置きしつつ
「では、一芸を」と、書店員時代の電話での「雑誌発注芸」(笑)。
喬太郎師匠は「福家書店」を愛していたんだな〜、と感じました。
だからこそ、
『すみれ荘201号』も、聴いていて感慨深いものがありました。



――というわけで、本寸法の古典派1名、
独創的な新作派3名による落語会でしたが、
本当に大満足な落語会でした。
一人ひとりの落語家さんが持つ魅力の片鱗が、
ビシッと伝わってきました。
もっとそれぞれを追っかけたくなる、そんな落語会。

改めて、『すみれ荘201号』は名作ですね。
改めて、百栄師匠のこと好きになりました。
この「改めて」があるのが、
たとえ同じ落語家、同じ噺を聴いたとしても
私が“落語の呪縛”から逃れられない理由。
それはもはや、「新しい発見」だといえる。
だから落語って、常に「あったらしい」んですよねえ。
私はそういう結論に至り、またも落語を聴きたいと思ったのでした。

とりあえず、今日の四名!
白鳥、喬太郎、三三、百栄の各師は本当に最高、本当に素敵。
きちんと、楽しく追っかけさせていただきまーす!
posted at 23:59 | Comment(0) | 落語・笑い | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする |

2010年10月15日

人間は、善悪だけでは割り切れない 『オーマイ ゴッド ウイルス』


今日は、
劇団スーパー・エキセントリック・シアターの第48回本公演
『オーマイ ゴッド ウイルス』を観てきました。
劇場は、池袋駅南口を出てすぐの東京芸術劇場・中ホール。

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昨年同様、今年も私は「学生割引」制度を利用させていただきました。
事前に電話予約しておく必要があるのですが、
当日に学生証を提示するだけで、
3000円という料金で観劇することができます。
今日私が座った座席は、
2階のC列で、ちょうど舞台中央と対峙する座席。
なかなかラッキーな感じがしました。
SET(スーパー・エキセントリック・シアター)の「学割」制度に感謝!



今日観た『オーマイ ゴッド ウイルス』のあらすじはというと……。

まず、
“毛が濃い小太りの男”(小倉久寛)に謎の注射を打たれて以来、
小説をまったく書けなくなった作家・“ギャル美”(三宅裕司)。
小太りの男は、実は「デビル族」のシビルという名前の悪魔で、
“ギャル美”に「エンゼル・ウイルス」を注入していたのだという。
結果、“ギャル美”は、
なんらかの理由で新たな創作活動ができなくなったのだ。

時を同じくして、
田舎のある村では、村人たちが村興しに躍起になっている。
ダム工事の現場からは謎の遺跡が現れ、
そこからエンゼル族の天使たちが現れる。
新たに、村に「心の駅」という施設を作り、
村を「嘘をつかない善人たちの村」にしようとする天使たちだったが、
「人間はそんなものじゃない」と、
シビルたちは村にカジノを作る計画を立てる。
“ギャル美”はシビルたちとともに、
自分が創作できなくなった「心の闇」を探り始めるが……。



――という、
これだけ見ると実に「まじめ」そうなストーリーですが、
そこは、31年前の劇団結成以来、
「重いテーマを分かりやすく、面白く」とこだわってきた劇団SET。
休憩なしの2時間15分間、ほとんど笑わされっぱなしでした!
上質な喜劇の中には、5分間程度の短いコントがたくさん含まれていて
観る者をまったく飽きさせない。

三宅さんや小倉さん、
田上ひろしさんらの、
バラエティー番組で培われたアドリブも素晴らしいです。
誰かが舞台上で台詞ミスをしても、それを共演者が上手くカバーする。
かといって拾いすぎるとしつこくなるから、ちょうどいい加減で。
本当に学ぶことがたくさんあります。
特に三宅さんと小倉さんの掛け合いは、
すっかり安心して爆笑できますね!

三宅さんはテレビ・バラエティーの世界でも大御所ですが、
劇団SETにかける情熱はすさまじく、劇団結成当初から
「ミュージカル・アクション・コメディー」にこだわってきました。
それは劇団結成31周年の今年になっても、変わらず。
今回もミュージカルあり、アクションシーンもふんだんにありました。
カーテンコールで三宅さんは、
「劇団員も、結成メンバーは年齢を重ねてきて、
 アクションシーンになると自然にハケて、
 アクションシーンが終わると
 自然に舞台に戻ってくる者もいますが……」
(←三宅さんご自身のこと)とおっしゃっていました(笑)。

「『楽屋ネタ』とは違う、
 『オフザケ』ではなく真剣な『コメディー』」
を作ろうと31年間走り続けてきた三宅さんの情熱、
努力には敬服するばかりです。
「カンコンキンシアター」での関根勤さんもそうですが、
やはり一流コメディアンは、「笑い」に対する情熱も一流ですね。
ここまで「お客さんを楽しませよう」という心――
――私自身も忘れないでいたい。



さて、今夜のお芝居ですが、タイトル通り、
「天使と悪魔」が出てくるお芝居です。
かといって、『水戸黄門』のような「勧善懲悪」モノではなく、
人間とは「清濁併せ持つ」生き物なのだ――という演劇でした。
そういうしっかりとしたシリアスなテーマを、
コメディーとして成立させている
(毎年のことですが)劇団SETはやっぱりスゴいですね。

観劇の感想はというと、やっぱり人間、
「善悪」だけで割り切れない部分が
たくさんあるなーと思わされました。
「あれもダメ」
「これもダメ」という規制社会の中で子どもたちが育ち、
「無菌」状態を当たり前とする人間になっては、
人間らしさ、人間の温度性が失われてしまうということでしょうか。
それが、今回の舞台では、あえて天使の善意を
「エンゼル・ウイルス」という単語でネガティブに表現していたり、
童話の登場人物も
決して単なる善人でないということを、劇中で紹介しています。

「残酷だからダメ」とか「健全じゃないからダメ」とか
「下ネタがあるからダメ」とかじゃなくて、
人間の善悪を超越した人間らしさは、そういった規制の向こう側にある。
人間はキレイな生き物じゃないし、美しい彫刻のような生き物でもない。
でも、だから「人間をあきらめる」、ただの「悪」とするんじゃなくて、
それを踏まえて、
自分の足で新しいページを切り開いていかなくてはならない。
そんなことを思わされたお芝居でした。

……でも、もう一回書いちゃいますけど、
そんなことを変に理屈っぽく表現するんじゃなくて、
あくまで
「ミュージカル・アクション・コメディー」で表現するっていうのは
やっぱり劇団SET、三宅裕司さんの素晴らしさだと思います。
それを31年間追求し続けているんだから、本当に偉大です。

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(上) 公演パンフレット(1200円)
posted at 23:59 | Comment(0) | 演劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする |
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