2010年06月30日

誰にも感情移入できない最高の喜劇 『2番目、或いは3番目』


今夜は、下北沢の本多劇場に行って、
NYLON100℃ 35th SESSION
 『2番目、或いは3番目』を観劇してきました。
19時開演の部、学生割引を利用しての観劇だったので、
7000円ぐらいのチケットを半額近い値段で購入できました。

nylon35th.jpg

学割をしてくださる舞台は、本当に助かります。
やっぱり、なんだかんだいってお芝居のチケットは高いです。
喜劇女優の藤山直美さんは
「1万円を超えるチケットは、お客さんには申し訳ないと思う」
というようなことを著書に書かれておりました。

学割券は当日引換がほとんどなので、今回も
きっと後ろの方の席だろうなーと思っていたのですが、
ところがどっこい、前から3列目という良席でした!
(とはいえ、補助席だったので、少し座り心地は悪かったですが…)
本当に、学割をしてくださる劇団はそれだけで素晴らしいです!



さて、今日観てきた『2番目、或いは3番目』という芝居。
NYLON100℃の旗揚げ25周年記念公演でした。
作・演出は、もちろんケラリーノ・サンドロヴィッチさん。
通称、KERAさん。私が大っ好きな喜劇作家さんです!

チケット発売に先立って、KERAさんは
劇団ホームページにこんな文章を寄せていらっしゃいました。
少し長いですが、引用します。

今さら記念もなにもあったもんじゃないけれど、気がつけば今年2010年は、ナイロン100°Cの前身の「健康」という劇団の旗揚げから数えて25年めの年になる。 なんとうっかり四半世紀も演劇をやってしまったわけだ、私としたことが。
もはや怖いものなんぞ何もないのだった。やりたいことをブレずにやり続けて死ぬだけだ。
強いて言えば「やり残すこと」だけが怖いのであり、だとしたら、これまで「面倒臭いことになるのは面倒臭いから」というまったく以って正当な理由から手をつけずにいたこんな題材を取りあげてみるのも、この際アリなチョイスだろうと思った。
差別や偏見の問題を鳥瞰しながら、いつの間にか、もっとずっと遠くに立っている、そんな物語 になるのではないか。
もちろん「差別はいけない事」だとか、そんな短絡的なテーマは皆無。私ゃ社会派とかそういうあれではないし。
毎度のことではあるけれど、今回も、観逃してしまうと、もう二度と体験できない肌合いの作品に なるだろう。劇場でお待ちしている。

主宰 ケラリーノ・サンドロヴィッチ

この文章を読むだけで、私なんかは胸がドキドキワクワクしました。
また、KERAさんのTwitterを見ていると、
どうやら今回の『2番目、或いは3番目』は、
観客から「賛否両論」の声が聞かれる作品だというじゃありませんか。
なので、今日は少し気を引き締めて行ってきました。



物語の舞台は、今や廃墟と化した「街」。
そこに、自分たちの街も廃墟と化したものの、
まだこの「街」よりは恵まれていると考える、
5人組の「善良な人々」がやってきます。
「街」の人々を救おうという慈善の気持ちで来たのです。
しかし、この「街」の人々は、
不幸なはずなのに、いつも笑顔を絶やさない。
5人組は、イマイチ腑に落ちないながらも
「街」の人々と、1か月限定の共同生活を始めます。

――なんかこう書くと、
あらすじがなんとなく分かるような気がしますが
(理解に苦しむ文章でしたらごめんなさい)
実際の舞台は、文字なんかでは表現できないような世界なのです。
公演パンフレットには、
「ブラックファンタジー」という単語が書かれてありました。
たしかに不条理。たしかにシリアス。たしかにコメディー。

私がKERAさんを大好きなのは、もちろん作品が面白いからですが、
「コメディー」という概念を常に軸にしてらっしゃるのが、
コメディー好き人間の一人として、とても嬉しいからでもあります。
ちなみに、KERAさんは
「空飛ぶ雲の上団五郎一座」の共同脚本家でもあります。
「空飛ぶ雲の上――」は、私がコメディーに興味を持つきっかけとなった作品です。



『2番目、或いは3番目』は、途中に休憩を挟む二幕構成でした。
第一幕の前半では、極めて上質なコメディーが展開されていて、
多彩で豪華な俳優陣に、客席は大いに笑わされました。
しかし、第一幕の後半では「暴力」や「病的幻想」などが描かれてきて、
舞台は、すっかりシリアスな雰囲気に一転しました。

シリアスな中にもちろん笑いも含まれていましたが、
それよりもシリアスな色が濃厚に表現されていて、
いい意味で観客は“戸惑わされた”と思います。
そこが、KERAさんが
Twitterに書かれた「賛否両論」な部分なのだと感じました。

第二幕では、さらに不条理な世界が展開されていきます。
こんなことを書くと多くの人々に罵倒されると思いますが、
第二幕の風景は、
私が作・演出した『クイーン・ラズベリーの美しき悪趣味な世界』や
『雨の中で唄うボク!』と似通っている気がしました。
そして、多くのギャグを含みながら、物語は終結していきます。
いや、実際には「終結」ではなく「これから」という終わり方なのですが。



私自身がこの芝居をどう感じたかというと、一言、
「とても面白かった」であり、「すさまじかった」という感想です。

まず、プロローグ部分から、固有名詞や時事ネタに頼らない、
高品質な笑いが展開されていて、喜劇として十二分に面白かったです。
それだけで私は大満足、「本当にありがとう!」という感じなのですが、
そこに、
人間の内面をえぐり取るようなシュールなドラマが広がっていきます。

それは、もしかしたら
「笑い」を期待してやって来たお客さんにとっては邪魔なものであり、
シリアスな世界観は、たしかに「賛否両論」を呼ぶものなのかもしれません。
とはいえ、「笑いあり涙あり」といった松竹喜劇テイストでもありません。
私にとってこの作品は、いま、
私が演劇で観たい要素を完璧に表現してくれた作品でした。

伏線がさりげなく回収される部分は、とてもかっこよかったですし、
コメディーとして刺激される部分ばかりだった。
でも、それだけじゃない。
なにかこう、決して「メッセージ」的なものではなくて、
シュールな日常というか、不条理なやさしさなどを、
ドラマとして明るすぎず暗すぎず、
な世界を構築して表現なさっているような印象がしました。
それを、私は全部ひっくるめて「喜劇」だと思うのです。

KERAさんがパンフレットに書いてらした
「私は、登場人物の誰にも感情移入できない演劇を作っている」
といった趣旨の発言を読んで、やはり、
人間の信用できない部分だとか、「笑い」と「恐怖」は表裏一体だ、
でも「笑い」でも「恐怖」でもない曖昧な部分があって、
そこも含めてコメディーなんだ、という姿勢が感じられました。

だから、よくも悪くも「コメディー」なんじゃないのかな?
楽しい毎日を過ごして、明るい毎日を過ごして、
というのがコメディーなんじゃなくて、
苦悩の毎日を過ごして、暗い毎日を過ごして、
ということこそがコメディーなんじゃないか、
と勝手に思ったりしてみました。
私も、これから「登場人物誰にも感情移入できないコメディー」を
作っていこうと決意しています(笑)。



最後に、この舞台のキャストについて。
とにかく、豪華な顔ぶれが勢ぞろいでしたよ〜!

劇団メンバーとしては、
犬山イヌコさん、みのすけさん、三宅弘城さん、
峯村リエさん、大倉孝二さん、松永玲子さん、村岡希美さん、
藤田秀世さん、長田奈麻さん、喜安浩平さん、などなど。
ゲストには、
小出恵介さん、谷村美月さん、緒川たまきさん、マギーさん。
個人的には、峯村リエさんの温度が好きです(笑)。



今回の芝居を観て思ったこと、考えたことは色々ありますが、
とにかく「演劇って素晴らしい!」「喜劇って素晴らしい!」
という感情が先行してしまいます。

KERAさんが劇団ホームページに寄せた文章の中にもありましたが、
今夜は、本当に
「今回しか観られない作品」を観れたっていう感じで、
ものすごい財産を得られたような気がしました。
超満足です。
この財産を、今後、私は活かしていかねば。

20100630.JPG

ちなみに、KERAさんはここ最近、映画監督もされてらして、
『1980』『罪とか罰とか』なども、大変に面白い映画です。
ぜひTSUTAYAだとかGEOだとかでレンタルしてみてくださいね〜!
posted at 23:59 | Comment(0) | 演劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする |

2010年06月28日

“暗カッコいい”バンド Santa Coconuts


今日は、祐全さんがボーカルを務める
「Santa Coconuts(サンタココナッツ)」さん出演の
ライブに行ってきました。

会場は、渋谷ラ・ママ。
渡辺正行さん主催のラ・ママ新人コント大会や、
木村万里さんの喜劇映画上映会など、
私にとっては「お笑い」色の濃い聖地ですが、基本はライブハウス。
たくさんのミュージシャンの方々が、毎夜毎夜、出演されています。



今夜行われたライブには、5組の方々が出演されていて、
私はSanta Coconutsさんに加え、
Ageさん、和多田雄介さんの歌を聴いてきました。

18時30分開演、Santa Coconutsさんはトップだったのですが、
私は18時35分ごろに会場に到着。
すでに1曲目のパフォーマンスは始まっていました〜(泣)

今夜のSanta Coconutsが披露した曲は、
1. W(…だったかな?)
2. 目立ちたい(?)
3. エメラルド
4. 雫
5. Good Luck!
――の5曲でした。

Santa CoconutsさんのMy Spaceで何曲か試聴できるので、
ぜひぜひ聴いてみてください!
以前にSanta Coconutsさんのライブを拝見したのは
一年近く前だったと思いますが、
その時よりも数段上手に、迫力ある感じになってました。



私がSanta Coconutsを好きな理由は、
祐全が敬愛するTHE YELLOW MONKEYを彷彿とさせるような歌詞と
(すこーしだけ暗めな部分を感じるんです)、
メンバー4名の方々に馴染みやすさを感じるからです。
それでいて、演奏自体は先ほども書いたように迫力があります。

なので、私は彼らは
「暗(くら)カッコいい」バンドだと思っています!
これからもっともっと伸びていく可能性があると思うし、
独特の世界観みたいなものを持っていると思うので、
それを大事にして、ハスキーボイスで観客を魅せてほしいですね。

ついでに(って言ったら失礼なんですけど)見た
Ageさんは神戸からいらっしゃったバンドで、
和多田雄介さんは大阪から来られたアコースティックな方でした。
拝見した3組とも、
まじめに音楽と向き合ってるんだなー、という感じがして、
なによりもそれが、一人の人間として勇気づけられました。



やっぱり誠実さっていうのは、
どこにあっても輝くもののような気がします。
それは、音楽をやる人たちだけじゃなくて、
たとえばお笑いをやる人だとか、演劇をやる人だとか、
絵を描く人だとか、小説を書く人だとか、
スポーツをやる人だとか、学業を頑張る人だとか、
すべての世界、すべての人に当てはまることのような気がします。
今夜はそのことをライブを通して思わされたので、すごくよかったです。

今夜は楽しかった!私も頑張ろうと思った!
これからも、Santa Coconutsを追いかけていきますよ〜♪
posted at 23:47 | Comment(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする |

2010年06月26日

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