2010年05月26日

罪な男=立川談笑


今日は、神奈川県民ホールで行われた
『第359回・県民ホール寄席
  立川談笑独演会』へ行ってきました。

立川談笑師匠は私の大好きな落語家さんですが、
独演会を見るのは今回が初めて!
前座さんなし、
2時間まるごと談笑師匠が一人で高座を務めました。

20100526.JPG

★堀の内
まず、丁寧すぎる場内アナウンスについて一言(笑)。
口蹄疫の話題だとか、時事ネタのマクラが面白い談笑師匠です。
入門まもなく、談志師匠から
「お前はどんな噺をやりたいんだ?」と聞かれた談笑師匠が
「こんな噺をやりたいんです!」と答えたのが、
この『堀の内』という爆笑落語。
妻子を持つ、そそっかしい男が主人公です。
私は、「立正×成会」というギャグがいつもツボですね(笑)。
高座中、汗をかきすぎた談笑師匠、
「『堀の内』ってこんなに疲れる噺だったっけ?
 まだ一席目なのに!」。

★天災
実は、『天災』という噺、知ってはいたけど、聴いたのは初めて!
「へえー、こんな噺なんだ」と思いました。
顔芸あり、リアクション芸あり、高座を目一杯使っての『天災』。
とても面白く、痛快な落語でした。
身もフタもない言い方をすると、「哲学落語」ですね。

〜お仲入り〜

★子別れ
私が「最高の落語」と絶賛した、談笑師匠の『子別れ』です。
その時のことは
こちらに書いてありますので、よければご一読を。
前回は気付かなかった細かい点で、改めて感心させられました。
そして、4月の時とまた少し違うアレンジもあったり。
工夫が感じられる、そしてまたもや感動させられる高座でした。
個人的には、4月版の『子別れ』のほうが好きですけどね。
でもやっぱり、談笑師匠バージョンの『子別れ』は最高の落語です!



会場は、結構お年を召したお客さんが多かったかな。
「県民ホール寄席」の常連さん、たくさんいたようでした。
談笑師匠流の「新しい笑い」があんまりウケてなかったけど、
それでも客席が大満足していたのはわかりました。

立川談笑師匠は、やっぱり面白い!
客席を大いに笑わせて、大いに泣かせて。
固有名詞がバンバン飛び出てくるギャグも最高に笑えます。
本当に罪な落語家さんです(笑)。
今夜の独演会で私は、個人的には『天災』が一番面白かったかな。
これからも引き続き、追いかけさせていただきます。
posted at 23:59 | Comment(0) | 落語・笑い | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする |

2010年05月25日

「アチャラカ」邦画、奇跡の名作!


現在、神保町シアターという名画座で
「喜劇映画パラダイス」と題した特集上映が展開されています。
私は、20日(木)に『雲の上団五郎一座』を、
21日(金)に『極楽大一座 アチャラカ誕生』を観に行きました。

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『雲の上団五郎一座』(1962年)は、昭和喜劇の隠れた名作です。
主演はフランキー堺と、エノケンこと榎本健一。
フランキー堺は映画・テレビを中心に活躍した喜劇俳優で、
エノケンは言わずもがな、日本の喜劇王です。
この2人に加えて、
「アチャラカ」の代名詞的存在ともいえる三木のり平、
さらに、由利徹、南利明といった黄金の喜劇役者が出演しています。

この映画には、「劇中劇」があります。
旅回りの一座の物語なので、映画のストーリーの中で、
劇団による「劇中劇」が挿入されているのですね。
喜劇映画ファンにとっては「伝説」とされている
劇中劇コント『源冶店(げんやだな)』を見ることもできます。
ボケの三木のり平と、ツッコミの八波むと志が見せる
最高のコラボレーション。
喜劇映画の歴史に燦然と輝く、極上の名シーンです。

これはもともと劇場で上演されていた喜劇で、
それの映画化がこの『雲の上団五郎一座』です。
三木のり平さんは晩年のインタビューで
「本当に面白かったのは舞台版のほうだよ」
といったようなことをおっしゃっていましたが、
映画版でも十分すぎるほど大爆笑できます。
これこそを「喜劇」「コメディ」というのだと痛感させられました。

dangoro_ichiza.jpg

昨年(2009年)7月に『メガ☆ラジLIVE』を上演する際、
その「第一幕」を作る際に最も意識したのが、この映画でした。
この映画の「劇団」「劇中劇」という設定を
そのままパクらせてもらったのです。
手前味噌ですが、結果、
なかなか面白い「劇中劇」演劇ができたと自負しています。

「劇中劇」「バックステージもの」という点では、
この映画は、メル・ブルックス監督のデビュー作
『プロデューサーズ』(1968年)の設定とよく似ています。
『雲の上団五郎一座』を喜劇邦画No.1と称すならば、
『プロデューサーズ』は喜劇洋画No.1とでもいえるでしょう。



翌日に観た『極楽大一座 アチャラカ誕生』(1956年)は、
上映時間わずか53分という中編の白黒映画です。
エノケン(榎本健一)、古川ロッパ、柳家金語楼という
昭和を代表する「3大喜劇王」が共演している珍しい映画です。
あらすじはこちらに詳しく書いてあります。

これも「劇団」「劇中劇」という設定を用いた映画ですが、
ほとんどが「劇中劇」シーンなので
ストーリーはあってないようなもの(笑)。
エノケン、金語楼のコメディ演技はそれなりに楽しめますが、
ロッパが笑いを取りに行くシーンがなかったのは残念だったかな。

それでも、かなり貴重な喜劇映画だと思います。
なぜなら、伝説のコント『最後の伝令』が収録されているから!
これは菊谷栄という大喜劇作家が書いたコントで、
これと『源冶店』は、アチャラカ史を代表する伝説の名作コントです。
『雲の上――』同様に三木のり平が出演しているほか、
トニー谷も出演しており、彼らの全盛時代を鑑賞できました。



神保町シアターでの「喜劇映画パラダイス」特集は、
6月18日(金)まで続きます。
1週間ごとに、上映作品5〜6作が総入れ替え。
つまり、全部で36作品が上映されるということですね!

喜劇映画ファンにはたまらない、濃厚な35日間。
エノケン・ロッパ・金語楼という「3大喜劇王」をはじめとして、
私が一番最初に好きになった喜劇俳優・三木のり平、
さらにはタモリさんや立川談志師匠の主演作も上映されます。
引き続き、しっかり勉強してきます!!
posted at 18:30 | Comment(0) | 映画・TV | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする |

2010年05月15日

まるでリレーのような立川流夜席


今日は、「ALL青山」という、
青山学院大学アナウンス研究会、
青山学院大学放送研究部、
青山学院女子短期大学放送研究部
の3サークルが合同で開催する番発(番組発表会)へ行ってきました。

参加者が私一人で少しだけさみしかったのですが、
『ハイリスクハイスクール』という演劇風コントがとても面白くて、
こんなにも面白い番組は、
あと半年以内には観ることはできないだろうな
――と思ってしまうぐらい面白かったです。



それが終わった後は、東京メトロ銀座線で上野広小路駅へ。
5月の「立川流夜席」へ行ってきました。
開場時間30分以上前に到着したのですが、すでに15人以上の列が。

さすが休日。
さすが談笑。
……そうです。
今夜の主任(トリ)は立川談笑師匠なのです。
先月に続き、2度目の「生・談笑」体験となりました。



 <本日の番組>

開口一番:(前座) 立川談吉 『孝行糖』
落語:立川談奈 『六尺棒』
落語:立川談大 『子ほめ』
落語:立川談幸 『寝床』

 〜お仲入り〜

落語:立川キウイ 『反対俥 ショートバージョン』
落語:桂文字助 『雷電為右衛門』
落語:(主任) 立川談笑 『浜野矩随』



★談吉
なんだか不思議な若い前座さんです。
すっかり魅了させられました。
途中で台詞の一部を忘れてしまうのですが、切り返しが見事で。
なんとなくこの人とは友達になりたいです。
めっちゃ気になりました。

★談奈
「談吉はうちの一門の誰にも似てないんです」と開口一番。
「それにしてもあいつ(談吉)、
 よく(噺の)最後までたどり着きましたね」。
浅草在住のため三社祭のエピソードなどをマクラで話す。
とってもさっぱり、しっかりした雰囲気に好感を抱きました。

★談大
「今、膝を壊してるんです。
 だから高座中に座りづらそうにするかも。
 それは膝のせいですから。
 受けなかったりしても、それも膝のせい」。
若手なのに安定感があります。安心できる過激派(!?)です。

★談幸
左談次師匠の代演で登場と思いきや、
「ぜん馬(仲入り前)の代演です」。
「左談次にはいつか会えるでしょう。
 お互い(客と芸人)生きていれば」
という言葉に、妙に納得。
そうだよね、生きてさえいれば会えるよね。
2人分の持ち時間ということで『寝床』のフルバージョン。
今まで聴いたどの落語家さんの『寝床』よりも面白かったです!

★キウイ
真打昇進決定時のエピソード。
とにかく家元のモノマネが上手い(笑)。
母に真打昇進を報告すると「それは、罠ね」。
志の輔師匠に報告へ行った際には「はあ〜、師匠まだ具合悪いな」。
そんなこんなで(どんなこんなだ!?)、
「真打昇進顛末記」を15分近く話してらっしゃいました。
「このまま『キウイ、談志を語る』で終わってもいいんですけど、
今日は子どもの客がいるんで、
『反対俥』のショートバージョンでも」と、
橘家圓蔵師匠に稽古を付けてもらったという『反対俥』を。
「本当に時間がないんだよ!
 持ち時間あと5分しかないんだよ!」に客席爆笑。
キウイさんには、しゃべりを聴いてるうちに好きになっちゃう、
不思議な持ち味がありますね。第一印象だけでは分からない。

★文字助
キウイさん真打昇進に関して
「キウイのは真打の芸じゃないよね」。
客席静まり返り、無言で同感(笑)。
「今ね、鈴本(演芸場)見てきたよ。客は20人ぐらいだった」。
「この後、(トリの)談笑がみっちり演りますから」と、
雷電為右衛門の「3つの禁じ手」について話して
すぐに交代されました。

★談笑
Twitterでの予告通り、人情噺の大ネタ『浜野矩随』。
腰元彫りの名人の息子、浜野矩随(のりゆき)。
親父が死んで跡を継ぐが、変な彫りものばかり作っている。
本人は気持ちを込めて作っているのだが、
一風変わったセンスなので世間に受け入れられない。
ついに、唯一のお得意先からも
「まともなものを作って出直してこい」と言われてしまう。
ある日、母がいよいよ最期の時となって、
「最後に、お前の素晴らしい腕で、
 観音様の彫り物を作って見せておくれ」
と言われた矩随は、一生懸命、観音様の彫り物を作るが……。

もはや私の頭の中では、
「談笑師匠=人情噺」みたいになってます(苦笑)。
もちろん、それ以外の音源も聴いてはいますがね。
先月の『子別れ』ほどではないものの、
『浜野矩随』にも感動させられました。
唯一のお得意先「若狭屋」の主人は、
なんと立派な大人なのだろうと思いましたよ。
落語の世界には、本当にかっこいい大人たちが登場しますね。



終演直後、履物置き場に文字助師匠がいらっしゃいました。
「俺の(高座)は、『手抜きの見本』。
トリか仲入り前の時には噺を演るから」とおっしゃってました。
これは是非観に行かねば!!
うーん、なんともかっこいい爺さんですなあ。
(「爺さん」なんて言ったら失礼か……。)

「立川流夜席」は今日で人生二度目ですが、
立川流の落語家さんはみなさん本当に芸が素晴らしい、
マクラもが面白い方ばっかりだな〜と思いました。
前座さんもキャラクターを確立しているのが、いいですね。

談笑師匠に関しては、「また君に恋してる」状態。
最初に聴いた談笑師匠の噺(『子別れ』)が面白すぎて、
それを超える「談笑体験」がなかなかできそうにないけど。
来月も談笑師匠の出る夜にお邪魔したいと思います。
そして、よし! 次回こそは文字助師匠を観に行くぞ!
posted at 23:59 | Comment(0) | 落語・笑い | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする |
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