2010年04月29日

SFで「一人の人間」を描く 『月に囚われた男』


今日は祝日でしたが、大学では授業がありました。
授業がありましたが、私は自主休講しました。
なにやら奇妙な電磁波を身体中に感じ取ったからです。


夜、川崎チネチッタへ映画を観に行きました。
先月から観に行きたかった映画です。
ダンカン・ジョーンズ監督 『月に囚われた男』。
イギリス製作の本格派SF映画という触れ込みでした。

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あらすじを簡単に書くと――、時代設定は近未来。
月で採掘される「ヘリウム3」を、
地球へ向けてタンクに入れて発射する作業員が主人公です。
主人公の名前は、サム。
この月での仕事、たった1人で3年間やらなければならない。
あまりにも精神的にキツい仕事ですね。

そしてあと2週間で地球に帰還、という頃。
事件が起きます。
サムが乗っていた移動用ミニカーが、
採掘用の巨大ダンプカーと衝突してしまうのです。
そしてサムは重傷を負います。

他に誰もいない月の上で、一人傷を負い意識を失うサム。
しかし、目を覚ました時には、
サムは宇宙ステーションにいました。
誰がどうやってサムを宇宙ステーションへ運んだのか……!?


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監督は、本作が映画初監督となるダンカン・ジョーンズ。
何を隠そう、あのデヴィッド・ボウイの息子です。
(デヴィッド・リンチじゃありません。念のため。)
ジョーンズ監督は、本作で多数の映画賞を獲得しました。
英国アカデミー賞では、10部門にノミネートされたそうです。

私はもう少し怖い映画なのかと想像していたのですが、
実際にはほとんどホラーな部分はない映画でした。
スタンリー・キューブリック監督『2001年宇宙の旅』よろしく、
「HAL」のような人工知能を持ったコンピューターが登場します。
このコンピューターの声を、ケヴィン・スペイシーが演じています。

「HAL」のようなコンピューターを登場させたからには、
よっぽど怖い演出がなされるのだろうな……と思っていたら、
この映画でのコンピューターは、
実際のところはサムに親切な優しいコンピューターでした。

この映画が面白くなってくるのは、
サムが宇宙空間で“もう一人の自分”に出会うシーン以降です。
はたしてこの人間は、自分にだけ見える幻覚なのか?
それとも、クローン人間なのか?



この映画はSF映画ですが、ヒューマンドラマでもあります。
というか、ジョーンズ監督はパンフレットに寄せた文章の中で
「SF映画こそがヒューマンドラマであるべきだ」
といったようなことを書いています。

私もまったくもって同意見です。
SF映画は、観客を安易に刺激させるだけの空想劇ではありません。
SF映画とは、「人間とはなにか」という哲学の根本を
真正面から描くことができる、数少ない普遍的なジャンルなのです。

この映画のラストは、
私にとってとても勇気付けられるものでした。
『月に囚われた男』を通して感じたこと――、
それは人間の「強さ」であり、「優しさ」であり、「儚さ」です。
荒唐無稽なコンピューターグラフィックスではありませんでした。



SRCの春番発(6/20)で、私は生ラジオドラマを上演します。
ジャンルは「SFコメディ」です。
私にとって「コメディ」は人生のすべてなので、
逆に言えば、
コメディ以外のジャンルの作品を私が書くことはできません。

そして、今回のラジオドラマで私が重視するのは
「SF」という要素です。
ジョージ・オーウェルの小説『1984年』や
テリー・ギリアム監督の映画『未来世紀ブラジル』をモチーフに、
「管理社会の恐怖」と「人生の本質」を描きたいと思っています。
わかりやすい「人生の本質」の例として、
今回の私のラジオドラマでは「恋愛」を提示したいと思います。

でも、「人生の本質」は恋愛だけじゃない。
想像力、イマジネーション。
これこそが人間が人間である所以ではないでしょうか。
そこを丁寧に描けたら……と思いますが、
なにぶん番組の時間枠は20分程度なのでね……。
別の意味での「時間との闘い」ですね!



だから、春番発の私のラジオドラマは、
「SF」であり「ヒューマンドラマ」な物語です。
そしてもちろん、「コメディ」である。

今日観た『月に囚われた男』には
「コメディ」要素はあまりありませんでしたが、
この作品は「SF」であり「ヒューマンドラマ」でした。

「人間とはなにか」「人生とはなにか」と書くと大げさだけど、
結局は、「一人の人間」を描く必要があるのです。
そういう意味で、『月に囚われた男』は、
私にSFの面白さ、深さを改めて喚起させてくれる良作でした。
春番発ラジオドラマの執筆に励みたいと思います!


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posted at 22:37 | Comment(0) | 映画・TV | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする |

2010年04月28日

みっちゃんのアート工場 Vol.01


私はイラストレーターでもあります。


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『天使と悪魔』


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『2011 TWO-ZERO-ONE-ONE』
posted at 22:05 | Comment(0) | 歌詞・イラスト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする |

2010年04月20日

鈴本・百栄ナイト 4月20日の巻 〜いい加減飽きた 編〜


今日もまた寄席へ行ってきました。
いい加減行きすぎですよね。

そして行ったのは、毎度おなじみ「鈴本演芸場」。
この10日間で3回目です。
(14日には「立川流夜席」に行ったから、
 御徒町駅に行くのは4回目。)

今日は春風亭百栄師匠が主任(トリ)を務める4月中席・夜の部、
通称「鈴本・百栄ナイト」(勝手に命名)の千秋楽でした。
最後の最後に、
百栄師匠がどんな落語をかけるのかが気になったのです。

同じ番組を10日間のうちに3回観る。
正直な感想を書くと、さすがに飽きました(笑)。

同じ出演者でも、違うネタをかけてくれればまだ楽しめますが、
この前と同じネタをかける芸人さんとかもいて……。
さすがに「再放送」を3回観たら飽きるってもんです。
もっと色んな話を聴きたい(笑)。



本日の演目


落語:(前座)林家まめ平 『転失気』
落語:台所鬼〆 『道灌』
太神楽曲芸:翁家和楽社中

六・〇〇

落語:橘家圓十郎 『ちりとてちん』
落語:柳家権太楼 『人形買い』
漫才:すず風にゃん子・金魚
落語:林家たい平 『粗忽の釘』

七・〇〇

落語:橘家文左衛門 『夏泥』

七・二〇

〜お仲入り〜

七・三〇

紙切り:林家正楽
落語:入船亭扇辰 『手紙無筆』
漫才:ロケット団

八・一〇

落語:春風亭百栄 『最期の寿限無』



★百栄 『最期の寿限無』
「名人たちの最期の高座」をマクラで紹介した後、
「なんだか最近、体調悪いんですよね……」という話をする。
前座噺の『寿限無』をかけるが、
途中で激しい咳が出てしまう(「演出」)。
そして、ついに高座の上で倒れる百栄師匠。
「まさかっ……、最期の高座が『寿限無』になるなんて」と絶叫する。


『最期の寿限無』は、百栄師匠にとっての「大ネタ」で、
私がこれを生で観るのは3度目です。
この噺を初めて聴いた時
 (詳しくはこちら)には、衝撃を受けました。
「この人を一生追いかけていこう!」と思いました。
それで、この4月もきちんと「追っかけ」したわけですが……。

師匠、一言言わせて下さい!
噺のレパートリーが少なすぎです!
『最期の寿限無』は最高に面白い噺なのですが、
それでも短期間に何度も観たら飽きちゃいます。

百栄師匠のアレンジで、もっといろんな噺を聴きたい。
私はこれからも「追っかけ」させていただきますので、
そこんとこよろしくお願いします!



17日の日記
「寄席は、私にとってのディズニーランドである」
というようなことを書きましたが、
やっぱりディズニーランドでも
3日おきぐらいに行ってたら飽きちゃいますね。

同じ出演者、同じネタだと、観てて辛いです。
そういう意味で、3回目の今夜の寄席は「微妙……」でした。


ちなみに、百栄師匠が今回の中席でかけたネタは以下の通り。
(mixiコミュニティより引用)

11日 最期の寿限無
12日 お血脈
13日 天使と悪魔
14日 マザコン調べ(序)
15日 寿司屋水滸伝
16日 素人義太夫
17日 鮑のし
18日 天使と悪魔
19日 マザコン調べ
20日 最期の寿限無

せめて、10日間違うネタをやってほしかった……。

とはいえ、百栄師匠お疲れ様でした。
今後とも応援させていただきます。
posted at 23:59 | Comment(0) | 落語・笑い | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする |
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